vs エニグマ!


『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
1939年。第二次世界大戦中のイギリス。
若くして天才と呼ばれる数学者アラン・チューリングは、ドイツの暗号「エニグマ」の解読チームに選ばれる。
その高度で難解な暗号は、イギリス軍を手玉に取り、日毎に甚大な被害を与えていた。
アランの能力はチーム内でもズバ抜けていたが、高慢な態度と発言で孤立してしまう。
そんな時、アランにも理解者が現れ、彼女の助言により、彼も徐々にチームの大切さを理解するようになり‥‥。

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コンピューターの基となるものを作り上げ、「人工知能の父」と呼ばれたアラン・チューリング。
その波乱の人生を描いた作品です。

いや~、見応えありましたよ。
「生まれてくるのが早かった」とは、まさにアランのためにある言葉で。
仕事面でも、私生活でも。
だからこそ、大きな事を成しえたわけですけど。

天才がゆえに、物事を分かりすぎるがゆえに、不遜な態度になってしまい。
それがゆえに、まわりから孤立してしまっても、一切へりくだるそぶりを見せず。
でも、数学の能力は圧倒的で。

そこに現れた、社会との架け橋になる存在の理解者ジョーン。
しゃくれ美人でお馴染み、キーラ・ナイトレイ。

硬く鋭い部品が、回りを傷つけてしまうように。
まわりの気持ちを考えず、自分だけの物差しで、何でも測っていたアランが
彼女の助言により、人間的な丸みと柔らかさを徐々に手に入れるのです。

それにより、エニグマが、
「難解で面白いパズル」という対象から
「同胞に被害を与える恐ろしい兵器」に。
その辺りの、アランの考え方の移り変わりが、丁寧に繊細に描かれていて。

同時に、アランの人格を形成していった学生時代なども振り返りつつ。
ひとときたりとも飽きさせない展開で、不遇の晩年までが描かれておりました。

そして、アランを完璧に演じきったのが、ベネディクト・カンバーバッチ。
天才肌で、神経質で、高慢なところから、アランの秘密の部分まで。
アラン・チューリングさんに会ったことはもちろんありませんけど
疑うことなく、こういう人だったんだろうなという、説得力に溢れてました。
素晴らしいす。

今こうやって、スマホでブログを更新してますけど
アランさんがいなかったら、まだそんな時代が来てなかったかもなんですねえ。


☆個人的見どころ
 ・ベネディクト・カンバーバッチ!
 ・鍵は意外なところに
 ・不遇すぎる晩年