『デビルズ・ノット』
1993年アメリカ。アーカンソー州ウエストメンフィス。
河原で遊ぶ小学生男子3人が、無残に殺されるおぞましい事件が発生。
不審者の目撃情報が相次ぐが、どれも決め手に欠け捜査は停滞するが、押し寄せたマスコミにより報道は加熱。
やがて警察は、16~18歳の少年を容疑者として逮捕するが、不自然に感じた私立探偵ロン(コリン・ファース)は、独自に調査を開始する。
さらには、被害者の母親パムも、裁判で浮かび上がる様々な矛盾に動揺を隠せず‥‥。
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1993年に起こり、史上最悪の冤罪事件「ウエスト・メンフィス3事件」をモデルにした映画です。
なんと、現在も未解決だそうな。
ほんと、自分が冤罪で捕まったらと思うと、ぞっとしますよね。
この映画を観ると。
最初は余裕なんですよ。容疑者の少年たち。
そりゃそうですよ。やってないんですもん。
ところが、取り調べが進み、裁判に突入するにつれ、どんどん状況は悪化。
なぜか自分たちがやったかのような証拠が次々に提出され。
ついには、絶望的な状況に‥‥。
いろんな不思議なことが、悪い方向に噛みあった最悪の例ですよね。
何の罪もない子供たちが無惨に殺され、町中が怒りに満ち溢れ。
世論は、一日も早い犯人逮捕を望み、マスコミをそれをあおって。
見切り発車で捕まえられた3人の少年たち。
彼ら以外の犯行である証拠や証言はたくさんあったのに。
捜査を一からにしないよう、意地でも彼らを吊し上げるため。
不利なものは次々葬られるという。
もちろんそれに違和感を覚える人たちもいっぱいいたでしょうけど、結局関係ないんですよね。
他人事だから。
その関心と無関心の、境目の無責任さ。
本当の真実が知りたいのは、被害者の親や親族くらいのもんで。
メンフィスの警察なんて、体面を整えられればいい。
近所の人も、犯人逮捕で落ち着きたい。
それだけ。
思えば、自ら深く関わってきた、探偵のロンという存在は不思議ですね。
赤の他人の彼が首を突っ込まなかったら、冤罪が晴れないままだったかも。
というか、今も完全に晴れたわけではないようなのですけど。
この事件を知らなかった僕は、かなり興味深く観ていたのですが
なんとまあ、「観たいのここからやん!」ってとこで終わっちゃうんですよね。
その後のことは字幕処理、みたいな。
なので、なんだかモヤモヤ‥‥
「フルートベール駅で」という、これまた実際の事件がモデルの映画もそうだったんですけど
エンディングの、もう2歩3歩先まで観たかったっす。
☆個人的見どころ
・悪い連鎖
・おかんの直感
・で、真犯人はあの人‥‥?