『ショート・ターム』
さまざまな理由でやって来た少年少女たちを預かる短期保護施設(ショート・ターム)。
そこには、様々な想いを抱えながらも、必死で生きる子供たちが暮らしていた。
ある日、職員のグレイスは、同僚で恋人である、メイソンの子を妊娠。
悩んだ末に、二人で育てていこうと決意。
しかしグレイスには、誰にも言えない心の傷があり‥‥。
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家庭環境に恵まれなかったり
学校でうまくやれなかったり
そんな子供たちが集められ、一時的に一緒に暮らし、社会復帰を目指す施設。ショートターム。
観てて苦しくなりましたよ。
幸いなことに、僕は家庭や学校から放り出された経験はなく。
ごく平凡で穏やかな少年時代を過ごしたもので。
なので、精神的に追い詰められ、自制がきかなくなったこの映画の子たちを見ると、辛い気持ちになるのです。
正直、「もっとしっかりせえよ」なんて思うんですけど
きっとそんなこと、本人たちも分かってるんですよね。
そうなってしまった深い理由も、それぞれあるわけで。
でも、僕なんかには、そんな子供たちの気持ちを分かれるはずもなく。
そんなこんなもあって、こういう系の映画は観てると辛くて。
そこの施設で働く大人たち。
彼・彼女らがそこで働く理由もさまざま。
社会経験の一つとして働く者もいれば
自分が同じような経験をしたから、立ち直った経験を生かすために働く者も。
一人の女の子ジェイデンの出現により、自分の思いだしたくない過去が蘇った職員のグレイス。
ジェイデンの面倒を見るうち、いつしか自分の心のバランスが崩れてしまう。
それはまるで、深いプールに落ちた人に手を差し伸べたら、自分も引き込まれてしまったように。
辛い過去から立ち直り、一社会人として働いているように見えても
ほんの些細なきっかけで、また気持ちが崩れてしまうのですね‥‥。
そんなこんなで、どよ~んとした気持ちで観ていたのですが。
終盤に近づくにつれ、やっとこの映画の伝えたいことが分かって来まして。
不器用ながらも、みんなで支え合って暮らす子供たち。
傷を負ったからこそ、他人の傷に気付いてあげられて。
他人より歩みが遅くても、自分なりに前に進もうと必死で
気づけば、胸が熱くなってましたよ。
前半は重みに潰されそうになっちゃいましたけど
最後に明日への希望を感じられたので、救われました。
☆個人的見どころ
・生きるということ
・バースデーカード
・脱走常習犯