インドからメジャーリーガー!?


『ミリオンダラー・アーム』
スポーツエージェントのバーンスタインは、しばらく選手との契約が取れておらず、キャリアの危機に。
そこで、人口が多く、クリケットが盛んなインドで、剛腕ピッチャーを発掘しようと画策。
スポンサーを巻き込み、インドのテレビ局と「ミリオンダラー・アーム」という番組を企画し、大規模なオーディションを催す。
そこで選ばれた2人の青年が、バーンスタインに連れられアメリカへ。
来季のメジャー契約を目指し、特訓を開始するが‥‥。

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「ラースと、その彼女」などの、クレイグ・ギレスピー監督です。
スポーツ・エージェントのJBバーンスタインの実話がモデルなんですと。

昔は、「まだ見ぬ未完の大器」といえば、中国かソ連に潜んでいたのですが、今はインドなんですね。
尻に火がつき、全く勝算の見えないインドへ進出するバーンスタインの、希望と不安がこちらにも伝わってくるように、冒頭から引き込まれましたよ。

スポーツ・エージェントなんて、日本では馴染みがないですけど。
いわゆる「代理人」で。
向こうの契約条項は多岐に渡り、ややこしいらしいですから。
その契約を、滞りなくやるかわりに、年俸や収入の数%をいただく仕事なんですな。

しかも、海外のプロスポーツ選手なんて、年俸数十億なんて人もゴロゴロしてるわけで。
数%と言っても、莫大なお金になりますし、そういう人を何人も抱えてたら、そりゃあもうあんた、ねえ。

バーンスタインもそういう一人らしく、えらい豪邸に住んでまして。
「ひとやま当てたい!」
と言うよりは
「この生活を維持したい!」
なんですね。
そこは鼻につきましたよ。
だってこちとら庶民やし!

そのバーンスタイン。
インドから2人の若者をつれて帰るのですが。
そりゃ上手く行かないわけですよ。
練習もプライベートも。

だって、インドの極貧家庭からやってきてますから。
狭い家に大家族で住んでいて。
いきなりアメリカの都会につれてこられても、馴染めないのは当然ですよね。

しかし、後戻りできないインド青年二人のガッツと。
金儲けしか考えなかったバーンスタインが、
物じゃなくて人を扱っているのだと気づいて行く様子が素敵で。
自分もそのプロジェクトに関わってるかのごとく、手に汗握って行方を見守ってしまいました。

同じ人間だなんて言いますけれど
育ちや文化が違えば異世界で。
相容れないのは当たり前。

でも、そんな異世界の人間同士の交流が、なんとも温かい映画でした。
面白かったのに、映画館空いてたなあ。
おすすめですよ、これ。


☆個人的見どころ
 ・戸惑うインド人
 ・イラつくアメリカ人
 ・えろい隣人