『サスペクト 哀しき容疑者』
北朝鮮特殊部隊の元敏腕工作員で、ある理由から国を逃れ、韓国で運転代行をしているチ・ドンチョル。
彼は、妻と子を殺した犯人である、自分と同じ工作員の男を探していた。
ある日、ドンチョルに親身にしてくれているパク会長宅を訪れたところ、偶然にも会長殺害現場に遭遇。
死ぬ間際の会長から、機密を隠されたメガネを託されるが、警察から会長殺害の濡れ衣を着せられてしまう。
さらにドンチョルは、対北情報局のミン・セフン大佐からも執拗に追われることになり‥‥。
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「トガニ」などのコン・ユ主演です。
いや~、おんもしろいっすよ、この映画。
韓国アクション映画の魅力が、これでもかと詰まっていました。
かつて一つだった国が、北と南に分かれて、今も戦争が続いているのです。
その争いの中には、日本人が想像できないような哀しい物語がたくさんあって。
この作品のチ:ドンチョルの物語も、フィクションなんでしょうけど、決して架空の物語ではないのでしょう。きっと。
だって、見た目も言葉も同じなんですから。
誰がどういう思想を持ち、どっち側の人間か分からないって、疑心暗鬼になっちゃいますよね。
それを利用し、それに利用され。
哀しい結末を背負わされた人間・家族がどれだけいるか。
そして、この物語の主人公ドンチョル。(ちょっとだけ阪神・鳥谷選手に似てる。男前)
かつて北の敏腕工作員だった彼が、国に捨てられて
妻と子を殺害され
身を潜めるように南で暮らしながら、犯人を捜し
そうこうしている間に、南にも追われるはめに。
八方ふさがりの中、生きるためにもがき、家族の仇を捜し戦い続けるドンチョル。
しかし、先に進めば進むほど敵が増え、知らなかった衝撃的な真相を知ることになり。
自我が壊れそうになりながらも、突き進む彼から、一瞬たりとも目が離せませんでしたよ。
激しい格闘もすごいんですけど
カーアクションの迫力が半端ないんですよ。
ことカーアクションに関しては、日本は2歩も3歩も遅れをとってますね。悔しいですけど。
たぶん、道路の許可が降りないからなんでしょうけども。
そして、ドンチョルを利用し、莫大な利権を手に入れようとする黒幕が。
もちろん誰とは言えませんが、この黒幕役の役者さんが、もんのすごいんです。
人間って、ここまでの悪を、ここまでのクズを演じれるもんかと。
スクリーンに突進して、鼻に指入れて往復ビンタしたろか思いましたよ。ほんまに。
さらには、コン・ユの、深い深い哀愁を背負った芝居と、キレのあるアクション。
追いつ追われつ、目まぐるしく攻守が逆転する2人のやりとりに、釘付けになってしまいました。
個人的には、ラストは余計だった気がしましたが。
いや、そこまで描かなくても、きっと大丈夫!みたいな。
観た人にしか伝わらないでしょうけど。
芝居、アクション、ストーリー。
3本の太い柱がしっかり1本になっていて、あっという間の2時間でした。
おすすめですよ。
☆個人的見どころ
・哀しいストーリー+壮絶アクション
・とんでもねえ悪役
・そしてラストは‥‥