『バルフィ』
耳が聴こえず口もきけないが、感情表現も豊かで陽気な性格から、街の人気者のバルフィ。
資産家と結婚して裕福な生活を送るが、夫の愛情をどこか希薄に感じているシュルティ。
2人は出会い、お互いに惹かれあうが、貧乏暮らしで聴覚障害も持つバルフィに、シュルティは一歩踏み出せず。
一方、バルフィと幼馴染みのジルミルは、自閉症で引きこもって暮らしていたが、久しぶりに彼と再会。
優しいバルフィと一緒にいるうち、いつしかジルミルには彼が必要な存在になって行く‥‥。
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「きっと、うまくいく」「スタンリーのお弁当箱」などなど。
日本に来るインド映画の中でも、ハートウォーミング系はハズレがないっすな。
これも素敵な映画ですよ。とても。
なんとまあ、明るく楽しく、そして切ない映画でしょうか。
とにかく陽気なバルフィ。
耳が聴こえなかろうが、口がきけなかろうが、貧乏だろうが、いつも明るいのです。
表情豊かで、冗談やいたずらが大好きで。
インドのチャップリンですね。バルフィ役のランビール・カプール。
でも、そんなバルフィだからこそ、辛い目にあってしまった時の、哀愁が半端ないのです。
こちらの胸まで潰されてしまいそうになるほど。
そして、親の意向もあり、お金持ちと結婚したシュルティ。
生活に不自由はないが、夫からの愛情に物足りなさを感じていて。
自由に、奔放に愛情を表現してくれるバルフィに惹かれてしまうのですが。
でもそこは、現実をきちんと見る女性ですから。
いい感じになっても、いつも二の足を踏んでしまうのです。
そこに現れたジルミル。
心を閉ざすジルミルに、優しく温かく接するバルディ。
いつしかジルミルも、バルフィに惹かれ行くのです。
そして恋模様は、いつしか三角関係のように。
もちろん、二股をかけようなんて思惑は、バルフィには皆無ですから。
前半は明るく陽気なインド映画だったのですが
いつしか、胸をしめつけられるような、切ない恋物語へと。
そりゃあ惹きつけられますって。
ストーリー展開も絶妙で。
冒頭に出てくるのは、老いぼれたバルフィ。
そこから、過去を振り返るように物語が進んで行くのですが。
まあその、過去の振り返り具合と、現在の進み具合が絶妙で。
2時間半ある長編ですけど、バルフィの生き様と、純粋な恋の行方にドキドキしながら、あっという間でした。
もう一回観たいなあ。
ちなみにこの作品、世界中の名作映画へのオマージュを捧げたシーンもいっぱい入ってるそうですよ。
僕は映画観賞歴が浅いので、少ししか分かりませんでしたが‥‥悔しい!
☆個人的見どころ
・恋の行方
・2人の美人
・インドのチャップリン!