ドストエフスキー!


『嗤う分身』

真面目だが、気が弱く要領が悪いサイモン・ジェームズは、会社でも影の薄い存在。

唯一の楽しみは、向かいのマンションに住む会社の同僚ハナの私生活を、望遠鏡で覗くことだけ。

そんなある日、サイモンに瓜二つのジェームズ・サイモンが入社してくる。

しかし、容姿は同じでも、性格は正反対。

社交的で明るいジェームズに、サイモンの影はさらに薄くなり、徐々に居場所を奪われていく‥‥。


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文豪ドストエフスキーの小説「分身(二重人格)」を近代風にアレンジして映画化した作品だそうです。

サイモンとジェームズは、ジェシー・アイゼンバーグの2役。

ヒロインはミア・ワシコウスカ。


いや~重いっすよ。

雰囲気も、展開も。

そして、終始流れる、日本の昭和歌謡。

なぜ?

普段の生活で聴くと、しっとりとした名曲ばかりなのですが。

こういう、異彩な洋画で流れると、ミステリアス感を増してくれますね。


世界観も、かなり独特で。

あの名作マンガ「ねじ式」を思い出しちゃいました。

現世と似て非なる、パラレルワールドのような。

あるようでない世界。


そんな世界に住むサイモンに起こった、不思議な出来事。

自分と顔も服装も瓜二つの男が現れ、最初は味方かと思ったのに、気づけば自分の居場所がどんどん浸食されていく。

そして極限まで追い詰められたとき、気弱なサイモンは、いったいどんな行動を取るのか。

精神が崩壊して行くサイモンを見て、背筋が凍るような感覚を覚えました。


正直、最初は意味が分からなかったんす。

終わってからも、頭が混乱していて。

???

という感じだったんですけど。


後で原作小説のタイトルを見て、やっと理解できました。

なるほどなるほど。

それならいろいろ繋がるなあ。


自分も、腹が立ってもグッと怒れなかったりするタイプなので。

もう一人の自分が現れませんように‥‥。



☆個人的見どころ

 ・自分対自分

 ・昭和歌謡

 ・最後に残るのは‥‥


(11月8日公開予定)