『グランド・ブダペスト・ホテル』
かつて最高級ホテルだったグランド・ブダペスト・ホテルも、今ではすっかり寂れてしまっていた。
そこの大食堂で、一人の老人が語りだす。
１９３２年。コンシェルジュのグスタヴ・Ｈは、素晴らしいおもてなしで、たくさんの顧客から信頼されていた。
ある日、常連客のマダムＤが殺されたことから、莫大な遺産争いに巻き込まれてしまったグスタヴ。
彼はホテルの威信を守るため、信頼するベルボーイのゼロを連れ、ヨーロッパ中を駆け巡る‥‥。
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とにかくもう、映像が素敵なんですよね。
「ムーンライズ・キングダム」みたいやなと思っていたら。
同じ監督でした。ウェス・アンダーソン。
知らんかったです。何か恥ずかしい‥‥。
オーナーのじいさんが、ホテルの過去を語りだすところから始まるこの物語。
場所は、ヨーロッパの架空の国。
物語は緊迫したシーンも多いサスペンスで。
当時の名コンシェルジュ・グスタヴＨと、ベルボーイのゼロが中心に話が転がります。
お得意さんのマダムの遺産争いに巻き込まれたグスタヴ。
あらぬ疑いをかけられ、追いかけられる立場に。
さらには、戦争の勃発で、世の情勢は厳しいものに‥‥。
文字だけみてたら、重め暗めのサスペンス映画のようですが。
前述したように、とにかく映像が素敵なのです。
それはまるで、絵本をそのまま実写にしたような。
かといって、アニメっぽいわけでも、マンガっぽいわけでもなく。
絵本なんですよね。
子供の時に、どこかでチラッと読んだ、色のきれいな外国の絵本。
ちょっと残酷な表現も入っている、外国の童話。
なので、物語自体が、じいさんの妄想かと思わせるような
どこかで知った物語を、読み聞かせているような
だからと言って、リアリティがないわけではなく。
架空と現実の狭間を、絶妙に渡り歩いてくれるのです。
そこに絡んでくる、ゼロの恋も素敵でしたよ。
残酷な表現も多いのに、全体的に楽しかったのは、映像の魅力もありますけど
語っているじいさんが、その物語全てを愛しているからでしょうね。きっと。
楽しかったなあ。
この監督の映画、やっぱり好きだ。
☆個人的見どころ
・絵
・神経質なグスタヴ
・ゼロの恋