『超高速!参勤交代』
八代将軍・徳川吉宗の時代。
今でいう福島県にある小藩・湯長谷藩の藩主・内藤(佐々木蔵之介)は、江戸でのお勤めを終え、地元に帰ってきた。
しかし、着くや否や、また5日以内に参勤交代で江戸に来いとのお達しが。
湯長谷藩に、金山を隠しているのではないかという疑惑がかかっており、江戸に来て釈明せねば、おとり潰しにするというのだ。
江戸までへの参勤交代は、通常なら8日かかる上に、莫大な費用もかかるが、そんな蓄えが貧乏藩にあるはずなく。
内藤たちは、藩の取り潰しを避けるため、知恵を絞って参勤交代を完遂させようとするが‥‥。
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監督は「鴨川ホルモー」などの本木克英監督。
主演は佐々木蔵之介さん、ヒロインに深田恭子さん。などなど。
ポスターの感じから、がっつりコメディ時代劇なのかと思いきや。
コメディタッチではありましたが、基本線はシリアスな物語でしたよ。
なので、コメディ色を強く押したタイトルやポスター、予告編には、僕は少し違和感を感じてしまいましたが。
ちょうど「テレクラキャノンボール」を見た後だったのですが、これもまたある意味キャノンボールですね。
老中・松平(陣内孝則)の謀略で、無理難題を吹っ掛けられた小藩。
お取り潰しを避けるためには、何がどうあっても、5日以内に江戸に行かねばならない。
通常なら8日かかるので、日にちも足りなければ、もう一度行く予算もなく。
しかし、藩の家来や住人たちを愛する藩主・内藤は、藩の存続を一番に考えて動くのです。
役者さんたちの個性が、それぞれすごく輝いていて。
お人よしだけど芯の強い藩主・内藤役の佐々木蔵之介さんや。
絵に描いたような悪代官の、陣内孝則さん。
知恵者なのに運のない、いわば作品中でいじられ役の西村雅彦さんなどなど。
ストーリーも明快で。
江戸の金欲にまみれた権力者が、田舎者を落とし込んで財を奪おうと。
それを、濡れ衣着せられたまま潰されてたまるかいと、インチキで無茶な要求に対し、真っ向勝負で受けて立つのです。
考えすぎかもですが、震災以降、今も大変な東北の被災地へのエールなども入っているのかなと。
佐々木さん演じる藩主・内藤や、湯長谷藩の侍たちのセリフの端々に、地元への誇りと個の強さを感じたので。
「江戸から離れた田舎ですし、物が溢れる裕福な土地でもないですけど。だからって、なめてもらっちゃ困りますよ」と。
そんなメッセージが込められていたように、僕は勝手に思いましたが。実際どうなのだろう。
お人好しでおっとりしてるのに、締めるとこはビシッ!と締める内藤。
佐々木蔵之介さん、カッコ良かったなあ。
☆個人的見どころ
・地方の底力
・やっぱりかわいいフカキョン
・落ち武者スタイルが似合いすぎる西村雅彦さん