凄絶‥‥。

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『ローン・サバイバー』

2005年6月。米海軍特殊部隊ネイビーシールズに所属するマーカス・ラトレルたち4人は、ある任務に就いていた。

アフガニスタンの山岳地帯で、テロリスト集団の幹部を狙うため、偵察部隊として派遣されたのだ。

敵の集落に近づいた時、ある事が起こる。

その時の判断により、4人は、200人を超えるタリバン兵に追跡されることになってしまい‥‥。


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アメリカ軍の中でも精鋭が集められ、心身共に極限まで鍛え上げられ男たちで組織された特殊部隊ネイビーシールズ。

その部隊史上、最悪の惨事と言われた「レッド・ウィング事件」の唯一の生き残り、マーカス・ラトレルの手記を映画化したそうです。

監督は「ハンコック」「バトルシップ」のピーター・バーグ。

主演は「テッド」のマーク・ウォールバーグ。


なんとまあ、凄絶な話でしょうか。

観ているだけで鼓動が激しくなり、体が熱くなった映画は久しぶりです。

正直、「怖い」と。


ひょんなことから、敵に居場所が知れてしまった特殊部隊の4人。

そこは電波の届かない、山岳地帯の谷間。

訓練を重ねた強者とはいえ、援護もなしに200人超を相手に。

しかもそこは、相手にとっては地理を知り尽くした場所で。


迫り来るタリバン兵。

どの角度から迫って来るかも分からず。

ゲームのように頭を撃ち抜いて殺していっても、次々敵が現れ。

転げ落ちるように逃げても、向こうの速度の方が早く。

少しずつ削られるように、隊員たちの体は傷つき、心身共に朽ちていく。

そしてついに、仲間に犠牲者が‥‥。


実際の戦場にいるような臨場感と恐怖感でした。

目の色を変えて、100%の憎しみを持って米兵に襲いかかるタリバン兵が、本当に恐ろしく。

自分の命を投げ打って、次々に迫ってくるのです。


僕は別に、米軍が100%の正義だと思ってませんから。

争っている以上、歪んでいたとしても、相手には相手の正義があるのです。

テロというやり方は絶対にダメですし、1ミリも肯定しませんよ。

アメリカが作った米軍の映画は、自分側の一方的な正義しか描かないので、どこか鼻につくんです。

それは仕方のない話なんですけど。

でも、この映画の米兵にヒーローはおらず。

ただ、運良く生き残った男が一人。

(ネタバレじゃないよ。タイトルが「ローン・サバイバー」だよ)

スクリーンには、戦場の凄惨さと、殺し合いの無意味さがリアルに映し出されておりました。


戦場になんて、絶対に行きたくない。

そう思える映画こそが、反戦映画なのかもですね。



☆個人的見どころ

 ・悲惨な戦場

 ・転げ落ちっぷり

 ・救世主