『ダラス・バイヤーズクラブ』
電気技師でロデオカウボーイの遊び人・ロンはある日、医者にHIV陽性だと診断され、余命が30日だと告げられる。
1985年当時、エイズの特効薬と言われていた薬は、アメリカではまだ不認可。
納得の行かないロンは、単身メキシコに渡り、特効薬やサプリメントを大量に仕入れる。
さらにそれを、アメリカで安価でさばく、「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。
組織は勢いづくが、やがてそこに司法の介入が‥‥。
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実際の話が基になってるそうですよ。
今でこそ、HIVへの正しい理解は広まってますけど。
1985年当時といえば、エイズといえば、まだまだ未知の、死の病気で。
そのため、世間の怯えも強く、差別も激しく。
「触ればうつる」
なんて言われてましたし、当時たくさんの人がそう思ってましたし。
そんな時代に、エイズになったと宣告された、遊び人のロン。
映画に出てくるカウボーイ系のチンピラは、だいたいがそうなんですが。
誰に対してもケンカ腰で、酒・タバコ・ドラッグは日常茶飯事。
死ぬことなんて屁でもない。
ロンも例に漏れず、そのタイプで。
そんなロンに突然、30日後の死の宣告が。
最初は取り合わなかったが、急激な体の変化に、さすがのロンも死が迫っていることを自覚するのです。
そこからのロンが凄いところ。
どうせ死ぬんだと、さらに破天荒に生きるのかと思いきや。
徹底的にエイズと薬事法を勉強し、まず病気と特効薬を知ることから始め、真正面から死に立ち向かうのです。
そしてロンの宣告された余命の30日は、とうに過ぎ。
ロンの敵は、エイズという病気から、アメリカの薬の認可システムへと変わって行くのです。
もちろん薬が効いたのもあるでしょうけど
アメリカ政府や病院への苛立ちと、そこに立ち向かおうとするパワーも、生への活力へとつながったのかもですね。
死の淵に立ったことのない僕には、分かりえない領域ですが。
あと、忘れちゃならない役者力。
ロン役のマシュー・マコノヒーが、21kgもの減量をしたというのは有名な話。
その効果もあってか、まさに死と隣り合わせの男のあがきが、鬼気迫る勢いで表されておりました。
さらに、ロンのパートナーとなる、ゲイで同じくエイズ患者レイヨン。
この二人の奇妙な友情に、クスクス笑いながらもグッと来てしまいました。
さらに!
二人はそれぞれ、アカデミー最優秀主演男優賞と最優秀助演男優賞を受賞したそうです。
ついさっき発表された情報だよ!
おめでとうございます!
☆個人的見どころ
・ロンの戦い
・奇妙な友情
・役者力!