『銀の匙 Silver Spoon』（試写）
進学中学に進みながら、成績争いで挫折し、半ば逃げるように大蝦夷農業高校に入学した八軒（中島健人）。
しかしそこでも、明確に将来の夢を持つ同級生たちに比べ、将来の展望がない自分に劣等感を抱く。
だが、実習や部活に没頭する毎日を過ごしたり
さまざまな事情を抱えながら通う、個性的な仲間たちとの触れあううちに、自分のやるべき事、進みべき道が見えてくる‥‥。
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アニメ化もされた人気コミックの映画化です。
マンガ少年だった僕も、最近は映画寄りになってしまい、人気マンガと知りながらもまだ未見でした。
いかんなあ。
監督は、「麦子さんと」「さんかく」の吉田恵輔さん。
良い映画でしたねえ。
昔は学園青春物と言えば「熱血系」だったんですが。
最近はこういう、恋や将来、人間関係に悩むオタク系が主人公の「モヤモヤ系」も市民権を得てますね。
そんなモヤモヤ系学園青春映画に、「酪農」という要素を加えまして。
農業の若者離れは深刻だそうですけれども。
確かに、重労働で汚れる仕事というイメージがありますからね。
そんな農業の大変さと、若者の成長と奮闘っぷりが、えらいマッチしておりました。
主人公の八軒が、酪農の素人だったのも良かったですね。見やすくて。
僕もそうですが、観る側の大部分の人が、農業に携わったことなんてないと思うので。
八軒の目線で我々もいろんな事を知り、同じように悩み、育って行く感覚を味わえました。
お肉系の実習は特に。
中島さん、好演でしたよ。
戸惑いながらも、自分で体感してみることで、身をもって学習して行く八軒役にぴったりでした。
そして広瀬アリスさんも。
かわいいし、何よりお芝居がお上手なんですよね。
気になった方は映画「スープ」も観てみてくださいな。
そして、忘れてはいけない、我らが上島竜兵さん。
生徒を見守る、穏やかな校長役に、驚くほどはまってらっしゃいました。
さすが！
これ、全国の小中学校で見せてもいいのでは。
楽しみながら、酪農のことを知れますし。
なにより、「日頃から他の動物の命をいただいている」という大事なことも、きっちり知れると思うので。
☆個人見どころ
・親の期待と子の意志と
・ありがとう豚丼
・痛ソリ
（３月７日公開予定）