ジブリ版・竹取物語。



『かぐや姫の物語』

昔々、竹取の翁が、竹林の中にあった光り輝く竹の中に、小さなかわいい女の子を見つける。

翁と媼がその娘を育てることにすると、娘は瞬く間に美しい女性に成長。

翁は、娘を高貴な姫として育てようと、都に移住。

すると、彼女の噂を聞きつけた男たちが、続々と求婚しにやって来て‥‥。


---------------


スタジオジブリの高畑勲監督が、なんと14年ぶりに監督ですって。

日本人なら誰でも知ってる「かぐや姫」の物語をアニメ化です。


とにかくもう、絵が圧倒的でした。

温かくて、激しくて、細やかな部分と荒々しい部分が同居していて。

CGアニメが映画界を席巻している中で、ジブリはまた逆を攻めるのですね。

しかも、「風立ちぬ」とはまた違うやり方で。


かぐや姫の物語ですが、特に独自の解釈を入れたわけでなく。

宇宙人(月の住人?)的な存在と思われるかぐや姫を、「人間」として、丁寧に描いてある作品でした。


人として育てられているけれども、まわりと自分が違うんじゃないかと悩み。

自分を大事にしてくれているおじいとおばあだけど、自分がいるせいで生活を一変させてしまい。

自分自身は平凡でいたいのに、まわりがそうさせてくれないという。

腕を軽く振っただけなのに、大きな風が巻き起こってしまうような。

自分の意識と、周りの反応の大きさのギャップに、かぐや姫は戸惑い、悩み続けるのです。

そのあたりの、かぐやの、翁の、媼の心情が、とても細やかに表現されておりました。


ただ、丁寧すぎて長いなと僕は思いましたが。

さすがにあの「かぐや姫」の話で、2時間20分近くは。ねえ。

自分の集中力のなさもありますけど。

1時間半くらいなら、心地良かったかなあ。僕はですよ。


最後に、翁役の声優・地井武男さん。

素晴らしいお芝居でした。ありがとうございました。



☆個人的見どころ

 ・絵力

 ・人間としてのかぐや姫

 ・月からのお迎え