永作さん!



『四十九日のレシピ』

妻・乙美を亡くして2週間。無気力に日々を過ごす良平(石橋蓮司)の元に、ロリータ服に身を包んだ少女イモ(二階堂ふみ)が押しかけてくる。

イモは、亡くなった乙美から、四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっているというのだ。

戸惑う良平を尻目に、掃除や洗濯、炊事をちゃきちゃきとこなすイモ。

そこに、良平の娘の百合子(永作博美)が東京から帰ってくる。

不妊で悩んでいた百合子は、夫が愛人を妊娠させてしまったことを知り、離婚届を突きつけてきたのだった‥‥。


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「百万円の苦虫女」「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキ監督です。

日常に行き詰まった女性を、リアルに描くのが上手な監督さんですね。

主演は永作博美さん。

そこに二階堂ふみさんも共演。

‥‥俺得だ。超俺得だ。


おそらく四十才前後で、不妊に悩む百合子。

なかなか子供ができないところに、夫の愛人妊娠の報が。

愛人がいただけでもショックなのに、さらに妊娠とは‥‥。


そして、亡くなった母の乙美。

乙美は、父の後妻で、百合子の生みの母ではなく。

その母も、自分で生んだ子はおらず。


なんとなく、ちょっと寂しい人生だなと母のことを思っていた百合子。

そこに現れたイモ。

このイモが、百合子の知らなかった母の話を、いっぱい教えてくれるのです。

自分が知らない母の顔を。

母の残した言葉を。


ロリータ服でちゃきちゃき働く、イモ役の二階堂ふみさんが、かわいすぎました。

あのファッション、僕にはさっぱり理解できないのですが(着ている人のことを否定しているのではない)

二階堂さんのはかわいいなあ‥‥ただファンなだけなのか?


男の僕が語るのは恐れ多い、デリケートな話ですけど

女性は、いくつになっても子供を産めるわけではないんですよね。

そして、全ての女性が子を産むわけではなく。

子を産んだ女性が、全て幸せなわけではなく。

子を産まなかった女性が、全て不幸なわけでも、もちろんなく。

(そんな言い方をするばばあが劇中に出てくるので)

男なんかには想像もできない、いろんな葛藤と選択があるのでしょうね。そこには。


この前に観た「麦子さんと」と、すごく似てるんですよ。

進路に悩む若い女子と、不妊に悩む大人の女性の違いはありますけど。

2人とも人生のターニングポイントで。

どちらも、自分が勝手に不遇だと思っていた母の、輝いていた一面を知り。

そしてどちらも、亡くなった母の知らない一面から、自分の人生の道しるべを得るという。


なんか、いいなあ。

母が娘に道を示し、そして自らが踏み切り板に。

そしていつか、その娘も誰かの踏み切り板になるのです。

素敵な映画でした。



☆個人的見どころ

 ・四十九日

 ・地声だ!

 ・イモちゃんかわいい