夫婦主演でお父さんが監督。
『今日子と修一の場合』
同居する男に束縛され、不自由な暮らしを強いられている今日子(安藤サクラ)。
少年刑務所を出所し、町工場で働くことになった修一(柄本佑)。
今日子も修一も、それぞれの事情があり、故郷には戻りづらい立場だった。
そんな時、東北地方を中心に大地震が発生。
2人の故郷は、津波で大きな被害を受けてしまい‥‥。
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柄本佑さんと安藤サクラさんの、実の夫婦が両主演です。
夫婦役ではないですけどね。
そして監督は、安藤さんのお父さんである奥田瑛二さん。
なんか不思議。
修一は、母を守るために父を殺してしまい。
今日子は、保険会社での成績を上げるため、客や上司(なんとカンニング竹山さん)と寝てしまったのがバレた。
2人とも、それぞれの事情で地元には帰れず。
だからって、東京での生活に馴染んでいるかと言うと、決してそうではなく。
そんな時、あの震災が。
忘れようとしてさえいたあの故郷が、一瞬にして洪水に流されてしまうのです。
さらには、今日子と同棲相手の男との間に、とんでもないトラブルが‥‥。
いろんな理由で故郷に帰れない人・帰らない人は、世の中にたくさんいると思います。
でもやっぱり、故郷は故郷なんです。
やっとのことで、少しずつ東京に馴染みだした修一。
東京にさえ居づらくなった今日子。
2人はいったい、どんな行動を選択するのでしょうか‥‥。
そんな2人の人生が、どこかで交差するのかと思いきや。
特に交わることなく、ちょっと触れる程度だけ。
‥‥おや?
いろんな人が、あの震災で故郷への想いを募らせたというのならば。
今日子と修一が、特に交わらないのならば。
僕はもっといろんな人の場合を観てみたかったですね。
さらには、2人の状況が、あまりにも特殊過ぎて。
共感しようにも、いまいち踏み込めない自分がおりました。
それには、あの震災をからめてフィクションの映画を撮るというのは、なんだか時期尚早な気がしたのもあって。僕はですよ。
フィクションなのに、ロケ地は被災地ですし。
特に被害にあってないくせに、なんだか気になってしまいました。
気にしすぎやろか。
それはそれとして、安藤さんと柄本さんのお芝居のナチュラルさは凄いです。
この業界、「親の七光り」という言葉もありますが、「サラブレッド」という言葉もありますから。
このお二人は、確実にサラブレッドなのですね。かっこいいなあ。
☆個人的見どころ
・故郷とは
・スーツケース
・ラーメン