いい話!



『飛べ!ダコタ』
終戦から間もない、昭和21年1月14日。

イギリスの要人を乗せた軍用機ダコタが、東京に向かう途中、エンジントラブルで佐渡島の海岸に不時着。

ダコタは砂に埋もれて故障し、すぐに飛び立てそうもない。

戦争で家族を失った者や、まだ返らぬ息子を待つ者もいる村民たちは、つい先日まで敵国だったイギリス人たちに、複雑な想いを抱く。

しかし村長である新太郎(柄本明)が、率先して彼らを温かく迎えることを決意し‥‥。


---------------


こんな数奇な実話があったなんて知りませんでした。

そのお話しを、油谷誠至監督が映像化し、劇場用映画デビュー。

ダコタは、イギリスから実機を借りたそうですよ。すげえ!


地味ながら、心に染みる素敵な映画でしたよ。

終戦直後の、まだ町にも人の心にも、大きな傷跡が残っている日本に。

敵国であったイギリス人が乗った軍用機が、自分たちの村に不時着して来るのです。


こう言っちゃあ何ですが

土地柄(と言うかお国柄)によっては、袋だたきにあってるかも‥‥。


でも、日本人たちは、佐渡の人たちは、そうしなかったのです。

食事も違う。文化も違う。

英語をしゃべれる人なんて、ほとんどいるはずもなく。

それでも、彼らに不自由のないよう、一日も早く本国に帰れるよう、精一杯もてなすのです。


もちろん、イギリス人たちを、心から歓迎しない人もいて。

なんやかんやもあったりするのですが。

本当は、映画以上にいろんなことがあったんでしょうね。

まあ、映画やし多少の美化はありますわな。


比嘉愛未さんや窪田正孝さんたち若手の熱演を見守るような、

柄本明さんやベンガルさんたちベテランの存在が、ストーリーとも相まって微笑ましく。

そんな空気も、この映画の底に流れる暖かさの一因ですね。きっと。


滝川クリステルさんの「おもてなし」が、流行語になるかもと言われてますが。

それを体現しているかのような物語で。

イギリスでも上映して欲しいなあ。

恩着せがましくなっちゃうかもですけど、日本の、日本人の良い部分を、たくさんの人に知っていただきたい。


かつては大部分の日本人が持っていたであろう、その助け合い・おもてなしの精神。

大事にせにゃあなあと、再認識させてくれる映画でございました。



☆個人的見どころ

 ・「当然のことをしてるだけだ」

 ・サシミ?

 ・オールド・ラング・サイン