『地獄でなぜ悪い』
激しく対立する2つの組の組長、武藤(國村準)と池上(堤真一)。
10日後に出所してくる予定の、武藤の妻しずえ(友近)は、娘ミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを楽しみにしていた。
しかしミツコは、現場を放棄して彼氏と逃亡し、映画デビューはとっくにパーに。
妻を悲しませたくない武藤は、自分たちで機材を手配し、ミツコの主演映画を撮影することを決意。
その無謀な計画に、映画監督に間違われた公次(星野源)や映画マニアの平田(長谷川博己)、さらには敵対する池上までが巻き込まれ‥‥。
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今、日本で最も注目されている監督の一人の、園子温監督。
その最新作ですよ。
いんや~、面白かった~!
園監督、やりたい放題でした。
世界観も滅茶苦茶ですし、ストーリーも滅茶苦茶。登場人物も滅茶苦茶。
なのに、なぜこんなに説得力があり、引き込まれてしまうのでしょうか。
思うに、全ての登場人物が、それぞれ一番大切にしている人・物がハッキリしているからではないでしょうか。
そして、それに対して、真っ直ぐに突き進んでいるからではないでしょうか。
「妻のため」「映画のため」「ミツコのため」などなど。
それらのために、それぞれの登場人物が、時に自分の命をも犠牲にして突き進むのです。
その姿は、滑稽であり、美しくもあり、ただのキチ○イでもあり。
だからこそ、僕はここまで引き込まれ、夢中になって観れたのかもです。
そして、個性派で演技派揃いの役者さんたちの熱演。
熱演というか、皆さんが心から楽しみながら、園監督の悪ノリに付き合っていたように、僕には見えましたが。
それはもちろん、良い意味で。
僕が特に好きだったのは、デレデレする堤真一さん。
良い映画を撮りたい気持ちに対して、1ミリも目がブレない平田役の長谷川博己さん。
この平田が園監督なのか?と思いましたが。
そして、反抗期丸出しの不良娘・二階堂ふみさん。
「脳男」の時の爆破犯には、なんだか無理を感じてしまったのですが、今回は文句なしにカッコ良かった!
園監督が撮った、初のエンターテイメント作品。
タランティーノもびっくりの、はっちゃけぶりでしたよ。
特に、ラストの一言。
え?それやる!?と、めっちゃ驚いたと同時に
監督は、これをやりたかったのか?‥‥とも思いましたが。
理解できない人には、全くできないかもですね。この映画。
「いや、なんで理解でけへんねん!」
とは思いませんよ。好みなので。
ただ、僕は好きです。
めっちゃ好きです。
もう1回観に行きたいなあ~。
☆個人的見どころ
・全体的に
・全力歯ぎしりレッツゴ~♪
・まさかのラスト