阿部サダヲさん!




『謝罪の王様』

東京謝罪センター所長の黒島譲(阿部サダヲ)。

彼は、依頼者たちに代わって謝ることで、様々なトラブルを収束することを商売にしている。

ヤクザの車と事故を起こしてしまった、帰国子女の典子(井上真央)は、黒島に助けられたことがきっかけでアシスタントに。

次々とトラブルを解決していく2人に、ついに国際問題を収めてくれと依頼が‥‥。


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監督水田伸生さん×脚本宮藤官九郎さん×主演阿部サダヲさん。

「舞妓Haaaaan!!!」「泣くもんか」のトリオがお送りする第3弾です。


今回も、阿部さんの軽妙なキャラが炸裂しておりましたよ。

まさに平成の無責任男。

昭和の無責任男を知っている世代ではないですけど。

阿部さんの出るコメディは、良い意味で全部阿部さん色な気がします。

今やもう、代役の立てられない役者さんなのですね。


そして、随所に散りばめられた謝罪のテクニック。

最近はクレーマーだなんだと、理不尽に謝罪を求めたり訴訟を起こしたりする輩が少なくないですから。

まさに、今の時代だからこそ作られた映画ですよ。


そんなわけで、前半はハイテンションとテンポで突っ切る、おバカコメディを楽しく観ていたのですが。

後半にシリアスが入り込んでくると、なんかこう、僕は一歩引いちゃいましたね。

コメディとシリアスが、うまく混じりきってなかったように見えちゃったのです。

あくまで僕はですよ。


あと、「ただ本人に謝って欲しかっただけ」

という、阿部さんのセリフがあったのに

「代わりに謝る商売」

をするのは、なんだか矛盾を感じてしまいました。

まあ、主には謝るお膳立てだけをして、本人に謝らせてましたれけども。


近頃は、なにかと謝罪が大々的に、仰々しく取り上げられる御時世ですから。

大事なことかもしれませんけど、同時にくだらないことでもありますもんね。

軽妙なコメディの裏に、そういうメッセージを勝手に感じ取った僕でございました。

☆個人的見どころ

 ・肩ー!

 ・晩年の笠智衆か!

 ・エンディング曲楽しい!