「第9地区」の監督!


『エリジウム』

2154年。地球は人口が増加しすぎ、住人はひどい貧困と、蔓延する病気に苦しんでいた。

しかし、ごく一部の富裕層は、スペースコロニー「エリジウム」に移住し、病気も寿命も貧困も争いもない完璧な暮らしを。

エリジウム移住を夢見て、わずかな賃金で真面目に働く、労働者のマックス(マット・デイモン)。

ところが、作業中に致死量を超える照射線を浴びてしまい、余命5日を宣告される。

マックスは、エリジウムにはどんな病気でも治す装置があると知り、そこに賭けることに‥‥。


---------------


「第9地区」のニール・ブカンプロム監督です。

主演はマット・デイモン。スキンヘッドで熱演ですよ。太ったんかな?


地球で暮らす貧困層。

住居も衣服も粗末で、低賃金でこき使われる上に

少しでも法に背くと、パトロールロボ的なやつから、機械的で容赦のない仕打ちが。

要するに、生きて行ける最低限だけを与えられ、後は富裕層に搾取されとるんですな。


そんな最悪な地球で生まれ育ったマックス。

彼の希望は、幼馴染みのフレイとエリジウムに移住すること。

若い頃はドロップアウトしてた彼だが、最近は真面目に働いていた。


そんなマックスだが、作業中の事故で余命5日に。

密航船ビジネスで一儲けするスパイダーの元に駆け込み‥‥


余命5日のマックス。

久しぶりに再会したフレイ。

密航船ビジネスで儲けるスパイダー。

エリジウム国防長官のデラコート(ジョディ・フォスター)。

それぞれの目論見が、エリジウムを中心に渦巻くのです。


映像はもう、文句なく。

エリジウムのデザインがカッコ良い!

スペースコロニーの、屋根がないって斬新。

ワクワクしてしまった。


「第9地区」でもそうでしたが、この監督の作る、近未来のスラム感。

好きですねぇ。

見た目はきったない町なのに。

ちょっとしたところに、泥だらけでハイテクな機器が転がってたり。

裏通りのボロ小屋に入ると、ジャンクなパソコンを繋ぎ合わせたハッカーがいたり。

なんかそのギャップにもワクワク。


展開もテンポよく、ドキドキハラハラで。

マックスの、泥を食ってでも生きる!という想いが、強く強く伝わってきました。

さらには、フレイへの強い想いも。

グッと来ましたね。


でも、ラストが。

正直、もっと裏をかかれるのかと。

あ、エリジウムって、そうなの?みたいな話なんかなと、勝手に予想していたら。

意外と王道な結末へまっしぐら。

もちろん、ネタバレなんで言いませんけど。


いや、それはそれで良い(?)結末でしたけど。

こういう、一人で強大な体制と戦うSF映画は少なくないので。

さらなる意外性を期待してしまいました。


映像も展開も、ラストまでグググと引き込まれる楽しい作品でしたが。

もう一裏切りして欲しかったっすなあ。僕は。



☆個人的見どころ

 ・夢のエリジウム!

 ・雑なパワースーツ

 ・何でもありな治療装置