『オン・ザ・ロード』
父の死を引きずり、陰鬱とした中で生きる、若き作家のサル。
ある日、自分とは真逆で自由に生きるディーンと、まだ10代の幼妻メリールウと出会う。
ディーンの生き方と、メリールウの美しさに惹かれたサルは、彼らと共にニューヨークを出て放浪の旅に。
そしてサルは、広大なアメリカを旅しながら、出会いと別れを繰り返し、自分の生きる道を見つけ出して行く‥‥。
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1950年代の作家ジャック・ケルアックが、自分や友人たちをモデルにして執筆した自伝的小説「路上」。
それをウォーター・サレス監督が映像化したのがこの作品でございます。
いわゆるロードムービーですね。
作家志望のサルが、ネタ探しと自分探しを兼ねて、アメリカ各地を放浪。
旅の相棒は、主にディーン。
このディーンがもう、めちゃくちゃなんですよ。
破天荒の一言ですませないくらいの。
かわいい嫁がいながら、それを捨てて他の女のところに行き。
そっちで落ち着くのかと思いきや、また寄りを戻そうとしたり。
それを広大なアメリカを股にかけてやりよるんです。
スケールのでかいダメ男!
それにあきれながらも、憧れを隠せないサル。
しかし、自分はディーンにはなれないことに気付く。
じゃあ自分には何ができるのか?何がしたいのか?
青春のモヤモヤとメチャクチャを、古いトランクに詰め込んだような映画でした。
時代背景もいいんですよね。
携帯はもちろん、固定電話すらどこにでもある時代ではなくて。
交通網も、もちろん今よりはるかに不便なので。
遠くに越した友人に
「ちょっと会いに行くわ」
なんて軽く言っても、それはもう結構な労力がかかることで。
だからこそ、本当に会えた時の喜びは、今より何倍も大きかったでしょうね。
なんか、こういう時代に、こういう気ままな旅ができたことが、観ていてものすごく羨ましかったです。
ただ、それが結果として素晴らしい自伝小説になってるからいい話ですけど。
映画中はずっとサルに
「お前、結局何がしたいねん!」
とモヤモヤしてましたよ。
しゃきっとせい!
ジャック・ケルアックという作家さんがどんな人だったか、軽く調べてからでも観たら、さらに楽しめたかもですね。
☆個人的見どころ
・自由気ままな旅
・破天荒ディーン
・メリールウかわいい!