『欲望のバージニア』
1931年、アメリカ禁酒法時代のバージニア州。
ボンデュラント三兄弟は、密造酒ビジネスで一儲けしていた。
しかし、ひ弱だが野心家の三男ジャックが、好きな女性の気を引くため、独自にビジネスルートを開拓しようとしたことから、兄弟の力関係に変化が。
そんな時、新たに着任した特別補佐官レイクスが、密造酒を黙認するかわりにと、三兄弟に法外な賄賂を要求。
それを拒否したことから、レイクスの非道な嫌がらせが続くこととなり‥‥。
---------------
禁酒法時代に実際にあった、伝説と化している復讐劇がモデルだそうです。
この時代の、殺伐とした空気の映画、好きですよ。
法がまだ法として機能しきってなくて。
法の番人である警官さえ、立場をかさに悪さを‥‥みたいな。
恋愛模様も出てくるけれども、そこはあくまでサブストーリーで。
三兄弟内の力関係と、さらにレイクスとの対立がメインです。
シャイア・ラブーフ演じる、ヘタレなくせに、いきがっている三男も良かったですけど。
ガイ・ピアース演じるレイクスの異様さが際立ってましたね。
「え?それカッコ良いと思ってやってるんですか?」
と、違和感出まくりのファッションやセリフをキメまくるのです。
ああいう、ある種「異常者」が権力を持っていると、物語のピリピリ感が増して良いですな。
ただ、「伝説の復讐劇」的な感じで謳っている割に、そのくだりはラストの数十分で。
なので、触れ込みの割にあっさりやなあと思ってしまいました。
あと、補佐官とか保安官とかが、どこまで権力を持ってて、どこ以上がやりすぎになるのかが分かりづらくて。
銃撃戦で、お互いビビりながら撃ってたから(もちろん演出)
「脅しはオッケー」「殺しはやりすぎ」
というのがあったのでしょうけど。
その割には、レイクスが‥‥なので、線引きがあやふやで、僕には分かりづらかったです。
原題は「Lawless」。
「無法」とか、そういう意味ですね。
それが「欲望のバージニア」という邦題に。
なんか他に‥‥う~ん‥‥。
☆個人的見どころ
・三男のいきがりっぷり
・強い首
・分け目、太っ!