異色のフランス映画ですな。



『ホーリー・モーターズ』

初老の男性オスカーは、子供たちに見送られ、豪邸から女性運転手付きの真っ白なリムジンに乗り込む。

その車内で、メイクを始め、服を着替えだすオスカー。

次にリムジンから出てきたのは、ボロボロの服を着た、ホームレスの老婆。

老婆は道で一時物乞いをした後、再びリムジンへ。

そして老婆のメイクを落としたオスカーは、また別の服に着替えだし‥‥。


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本当は「L.A.ギャングストーリー」と「桜、ふたたびの加奈子」の間に観たのですが。

ちゃんとアップされてないことに気付きました。失敬失敬。


フランスの奇才と呼ばれるレオス・カラックス監督が、13年ぶりに単独でメガホンを取ったんですって。

さすが奇才というか‥‥。


ぶちゃけ、どう観ていいのか、何を感じたらいいのか分からなかったですね。

謎めいた導入には、かなり惹かれたのですが。

次々といろんな役を演じていくオスカー。

いや、演じていってる‥‥と思っていたら。

一つ一つの役に関わってくる人間が、本気でその役のオスカーと接してて。


例えば、ある父親の役を演じると、その子供が本当の、毎日接している父とのように会話したり。

そのくらいならまだしも、ある役で撃ち殺されているのに、運転手がリムジンに引きずり戻したら、次の瞬間治ってたり。


そのつどの役に、それぞれ仕掛け人がいたり、セットがあったりするのか?とか。

それとも、まわりは本気で、それをうまく潤滑させるための芝居をやってるのか?とか。

いろいろ考えたんですけど、物語が進むごとに、謎は深まっていくばかりで。


さらには、ラストシーンで、僕の脳にさらなる混乱が‥‥。

なんだこりゃあ。

きっと、抽象的な表現で、映画の世界とかを示しているのかもですけど。うぬう。


良いように受け取れば、いろんな解釈ができる映画で。

そういう映画を観て、あれこれと言い合うのが好きな映画ファンの方もいらっしゃると思うのですが。

僕は、ハッキリとしたストーリーとラストを示してくれる映画が好きなので。

そんな僕には、ちょっと難解すぎる映画でしたなあ。



☆個人的見どころ

 ・オスカー7変化

 ・猿

 ・ホーリー・モーターズ