ビン・ラディンを追い詰めたのは、一人の女性調査員だった!?


『ゼロ・ダーク・サーティ』

2003年。CIAのパキスタン支部に、情報分析官のマヤが派遣されてくる。

当初は、当時行われていた凄惨な拷問に目を背けるが、やがてマヤも慣れていく。

やがて、ビン・ラディンの連絡員と思われる男の名前が判明。

しかし、なかなか所在が掴めない。

そんな時、CIA局員を狙った自爆テロが発生し、仲間を失ったマヤは‥‥。


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アカデミー作品賞を獲った「ハート・ロッカー」。

そのキャスリン・ビグロー監督と、マーク・ボールが再び組んだ作品だそうです。

2011年5月に、アメリカの特殊部隊によって殺害されたビン・ラディン。

その居所の調査・特定から、作戦遂行までを描いた作品です。


確かにリアリティや臨場感はすごかったですね。

何百万という情報が寄せられるものの、どれに信憑性があるものか分からず。

不確定な情報がたくさんあっても、それは情報ゼロに等しくて。

雲を掴むような作業を、何年にも渡って続ける精神力が凄いっすな。マヤの。


その間にも、自分が命を狙われたり、仲間の命が奪われたり。

クライマックスの急襲シーンなどは、実際の映像かと思うほどリアルで。

そのあたりの後半の流れは特に、瞬きもできないほどの緊張感でしたよ。ええ。


しかし、マヤのその執念は、どこから来るものだったんですかね?

時に上司と感情的に対立しながらも、絶対に自分の信念を曲げなくて。

その強い意志は何に由来するものだったんでしょうか。

何か理由があったのなら、そこも描いて欲しかったです。

余談ですが、僕はこういうヒステリックなヒロイン、好きじゃないっす‥‥。


一つ大きなところが引っかかってるんですが。

「当事者の証言により作成」的な一文が、冒頭に出るんですけど。

それって当然、アメリカ側の証言だけなわけで。

何より、殺害されたのが、本当にビン・ラディンかどうかという部分が、全然明確にされてませんで。

そこ大事じゃないですかね?

遺体の写真をデジカメで撮るシーンもありましたが、あの写真って、偽物説が強いヤツですし。

何か、すっきりしませんでした。


そして彼女の涙。

あれは何を意味していたんでしょうか。

う~ん‥‥。



☆個人的見どころ

 ・本物さながら急襲シーン

 ・マヤの執念

 ・スーパーカー好きのおっさん