ああ無情‥‥。


『レ・ミゼラブル』

19世紀のフランス。

妹の子供のために、パンを盗んだ罪で19年も服役し、やっとのことで仮釈放されたジャン・バルジャン。

行き倒れ寸前でお世話になった教会で、銀器を盗んで逃げるが、それを司教に許され、心を入れ替える。

8年後、彼は工場を経営し、市長にまで登りつめていた。

しかし、ある警部の出現により、バルジャンの過去が暴かれ、彼は一転して追われる身に‥‥。


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名作小説であり

大ヒットミュージカルであり

子供の頃には確かアニメでもやっていた

「レ・ミゼラブル」=「ああ無情」ですが

実は僕

ストーリーを知らない!

知ってたのは、ジャン・バルジャンという名前だけ!

そんな僕ですが、まさかこんなにも無情だとは‥‥。


全編ミュージカルです。

いや、ものすごく。

ミュージカル映画は決して嫌いじゃないですよ。

「ブルース・ブラザーズ」も、「ムーラン・ルージュ」も、「マンマ・ミーア!」も。

でも、こんなに全編「歌」なのは初めて観ましたね。

だいたいのミュージカル映画って、普通のセリフの部分も結構多めにあって。

「ここから!」みたいに、バチンと歌に切り替わる瞬間があるのですが。

この映画はもう、全セリフ歌だと言っていいほどの。


最初はそれに戸惑ったんですが、慣れてくると全然平気になっちゃうのが人間の素敵なところ。

気付けば、すっかりその世界に引き込まれ倒しておりました。

というか、役者さんたちの演技力と歌唱力に圧倒されたのかも。

ラッセル・クロウまでが歌いだすと、さすがに笑っちゃうのですが、でもこれがまた上手いんすよな~。


しかも、やたら感情が乗っかってるなあと思いきや。

現場でピアノの伴奏を付けて、ライブレコーディングしてるんですって。

その方式が大成功っていうことですな。

さすが「英国王のスピーチ」のトム・フーパー監督。

泣かされてしまいました。


主演のヒュー・ジャックマンや、警部役のラッセル・クロウはもちろん、アン・ハサウェイやアマンダ・サイフリッドも素晴らしかったんですが。

サシャ・バロン・コーエンと、ヘレナ・ボナム・カーターのインチキ夫婦が、なんだか良いスパイスになってましたね。

恵まれない時代の中で、ただただ重く辛く生きる人ばかりじゃなくて。

その中でも、ずるがしこくたくましく生きる夫婦がいるっちゅうのは、憎らしくもコミカルで、何だか心強く感じました。僕は。


もちろん、歌い続ける違和感も感じなくもなかったのですが。

いや、ひそひそ声でしゃべってたのに、急に声張って歌うて!

みたいな。

そこは好みにもなっちゃいますので。

ミュージカル系がお嫌いでなければ、おすすめですよ、ええ。


☆個人的見どころ

 ・とにかく歌うずっと歌う

 ・意外と良い声ラッセル・クロウ

 ・アン・ハサウェイ!