チュートリアル徳井が主演とな!?


映画とカレーと藤井


『莫逆家族 バクギャクファミーリア』

30代半ばになる火野鉄(徳井義実)。

仕事先の工事現場ではバカにされ、家でも妻や息子の周平(林遣都)になめられっぱなしだが、かつては暴走族「神叉」のトップだった。

ある日、神叉時代からの仲間・あつし(阿部サダヲ)の娘で、周平の恋人である真琴がレイプされる事件が。
今ではすっかりカタギで働いていた鉄たちだが、かつての仲間たちと犯人に復讐することに。

同じくその頃、神叉時代に鉄たちの兄貴分だった夏目を、刺し殺した渡辺が出所したという噂が‥‥。


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なんとまあ、救いのない物語なのでしょうか。

ひたすら重くて、ひたすら辛い。

原作は以前一回読んだことありますけど、もうちょい明るいシーンがあったし、救いもあったような。

自分自身、今は何事もなく暮らしているからと、昔悪かったことを、自慢話のようにする男はいますよね。

僕は嫌いですけど。

逆に、この映画の男たちのように、昔に縛られるように生きている人も、少なからずいるのかも。


そうなんです、この映画の男たちは、みんな過去に縛られているんですよね。

原作ではもっと、「血はつながってなくても、俺たちは家族だ」という、「家族の絆」的なものを強く感じたのですが。

この作品では、家族の絆というより、家族と口にすることによって生まれた「逃れられない縛り」に苦しめられているように見えまして。

それが見てて辛かったです。


暴力的なシーンは、苦手な人もいるでしょうけど、僕はリアリティがあって凄味を感じましたよ。

出演者の方々も、それぞれ熱演でしたし。

特に中村達也さんや村上淳さんなど、本物の狂人かと思っちゃうほど、ものすごい迫力で。

その人たちに負けず、芸人の徳井が堂々と演じているのが素敵でした。

僕、徳井と同期なんだよ!(自慢)


だからこそ、もっと何とかならなかったのかなと。

このメンツにこれだけ熱いお芝居を見せてもらって、グロく、悲しく、救いのない物語で終わるのは何だかなあ。



☆個人的見どころ

 ・ケンカケンカ

 ・ナベさん・五十嵐の狂人っぷり

 ・金髪徳井