僕が生まれる直前のお話です。


映画とカレーと藤井

『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』

学生運動全盛の時代。

人気文筆家の三島由紀夫は、民族派の若者を集めて「盾の会」を結成。

時が来れば自衛隊と共に決起するべく、訓練に励んでいた。

しかし、警察権力の前に、自衛隊は出動機会を与えられず。

若者たちの苛立ちをおさえきれなくなった三島は、ついに決断を迫られる‥‥。


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三島さんが自決された時は、まだ僕は生まれておらず。

でも、世の中に大きなインパクトを残した三島さんの人生は、その後もテレビなどで、何度も取り上げられているわけで。


この頃は、いわゆるサヨク的な学生運動が主流だったわけですから、ウヨク的活動をする三島さんは異質ではあったんでしょうね。

どちらも、日本を変えようとする熱い気持ちには変わりないのでしょうけど。


こういう時代を背景にした映画を観ると思うんですが。

この頃の日本は熱かったんだな~と。

若者が日本の未来に不安を感じ、現状を憂いて、行動に移す。

今は、その世代の人たちが、元気のない若者を見て、未来を憂いてる状況ですから。

僕らの学生時代なんかも、学生運動なんてとてもじゃないけど起こる空気なかったです。

やり方の善し悪しはおいといて、その熱気あふれる時代を羨ましく感じる部分はありますね。


そんな熱を感じる作品でした。

三島由紀夫役の井浦新さん、すごい存在感でしたね。

後で動画サイトで、三島さんの映像を見たんですけど、そっくりですよ。

そりゃあ、昔の武将や架空の人物を演じるのではなく、映像も残っていて、生前を知っている人もまだまだ多くいる人をやるわけですから。

かなりのプレッシャーがあったであろうことは、想像に難くないです。

口調や振る舞いなど、かなり研究されたのではないでしょうか。熱演でした。


そして、三島さんと行動を共にする、森田必勝役の満島真之介さんがこれまた迫力の熱演で。

失礼な話、僕は存じ上げなかったのですけど、これから注目の役者さんですね。

で、調べてみたら満島ひかりさんの弟さんでした。

だよねー!意外に珍しい名字やしねー!

姉弟で演技派とは。すごいっす。


原発やら消費税やら復興問題やら、問題が山積みなのにあまり良くなって行ってると思えないこの現状ですから。

不満を持ちつつも、声を潜めている人は少なくないですからね。僕も含め。

正しいか間違っていたかは、僕なんかは言えないですけど。

三島さんのように信念を持って憂いを行動に移す人間は、ものすごい輝きを放つのですねえ。



☆個人的見どころ

 ・井浦さんの完コピっぷり

 ・熱き若者たち

 ・VS東大生