三池崇史ワールド全開!


映画とカレーと藤井


『愛と誠』

1972年・新宿。

ふらりと現れた一人の高校生・太賀誠(妻夫木聡)が、不良グループと大乱闘を繰り広げる。

太賀は警察に捕まり、少年院送りになるが、その現場に居合わせた財閥の令嬢・早乙女愛(武井咲)の計らいで、すぐに出所。

さらに名門の青葉台学園に編入させられる。

しかし、献身的に尽くす愛に反し、太賀はすぐに学園を退学になり、花園実業高校へ。

そこは荒廃しきった、不良生徒の掃き溜めだった‥‥。


-------------


三池崇史監督最新作です。

青春恋愛バイオレンスアクションミュージカルコメディ‥‥ですかね?

あの昭和の大人気恋愛劇画「愛と誠」が、三池監督の手にかかると、こうなりますか‥‥。


昭和中期のレトロな雰囲気に

「クローズZERO」の、激しいケンカアクションと荒廃した空気

「ヤッターマン」の、真剣がゆえのバカバカしさ

三池作品ファンとしては、その辺が垣間見れて楽しい作品でした。


これはもう、完全に好みが分かれるでしょうね。

バイオレンス系熱血純愛物語と見せかけて

基本的にはコメディとして作られてますし。

愛のキャラなんて、完全に天真爛漫ブルジョワ前向き天然ボケキャラですから。

武井さん、コメディも合うのですね。


ややこしいのが、基本的にまわりが全員ボケで、太賀が一人ツッコミ的な役割なのですが。

その太賀も、出てくるなりケンカの最中で歌っちゃってますからね。

この作品に常人はいないのか!

戸惑う人は戸惑うかなと。


僕は三池監督の映画中に作る、笑いの部分が好きなので。

そういうのがたっぷり入ってるこの映画に大満足ですが。

なんじゃこれ?と思う人も少なくないやろうなあ‥‥。


あと、他の多くのミュージカル映画で僕が感じるように、歌部分は長く感じちゃいました。

何も全曲フルでやらなくても‥‥どうなんですかね?


なんやかんや言いつつも、僕は今回も三池ワールドに魅せられ、引きこまれてしまいました。

今をときめく武井咲さんにここまでやらせられるのは、三池監督だけかも。

この人の頭は一体どうなってるのだろうか‥‥。



☆個人的見どころ

 ・ボケキャラ開花の武井さん

 ・石清水君の執念

 ・座王権太の哀しみ