伊坂幸太郎×中村義洋!


映画とカレーと藤井

『ポテチ』

空巣稼業の今村(濱田岳)は、人はいいがどこか抜けている青年。

ある日、彼女の若菜(木村文乃)が仕事ぶりを見たいというので、プロ野球選手の尾崎という男の家に忍び込む。

しかし今村が、盗みもせずにゴロゴロしている時、1本の留守電が。

それは、若い女性が尾崎に助けを求める電話だった。

同い年の尾崎に一方的に親近感を抱いている今村は、よせいばいいのに、その指定された店に向かい‥‥。


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伊坂幸太郎さんの原作小説を中村義洋さんが映画化するという、この名コンビ。

僕は好きなのです。

今回は「ポテチ」という短編(中編?)小説を映画化。

68分というコンパクトさですが、1,300円とリーズナブル!


なので、とてもシンプルかつキュッと締まった、観やすくて素敵な作品でした。

なんというか、空気感がとても好きです。

ボーッとして無知な今村に、兄貴分でいつも淡々と話を聞いてくれる黒澤(大森南朋)。

この2人の独特の間に巻き込まれる、ごく普通のかわいい女の子の若菜。

おっとりしてマイペースな今村の母。

そして今村の地元のスター・尾崎選手。

その関係性に、地味ながら目を惹きつけられてしまいました。


ちょっと地味すぎる気もしなくはないですけど。

伊坂さん中村さんコンビは、どうしてもハードルが上がってしまいますので。


大森さん演じる兄貴分の黒澤が渋いんすよね~。

今村と同じくボーッとしているのですが、締めるとこは締めるというか。

詳しくは言いませんが、大森さんファンは震えるようなカッコ良いシーンがありますよ。


濱田さんはとても上手で素敵な役者さんなのですが、こういう役をやるとき、ちょっと舌足らずな甘えた口調になるんですよね。

個人的には、そこだけがちょっと苦手だったかな~と。


中村監督もちゃっかり出演しているのに笑っちゃいましたが。

エンドロール後にも、少しオマケがあるので、お見逃しなく。

リーズナブルですし、サクッと観るのに良い感じの映画ですよ。



☆個人的見どころ

 ・今村と尾崎

 ・締める黒澤

 ・三角形の角の和