男と女と浮気と本気と。


映画とカレーと藤井

『恋と愛の測り方』

ニューヨークに住むマイケル(サム・ワーシントン)とジョアンナ(キーラ・ナイトレイ)の2人は、結婚3年目の若い夫婦。

ジョアンナはあるパーティで、マイケルと彼の同僚・ローラを見ていて、彼とローラの関係性を疑う。

激しい言い合いの末に仲直りはするが、わだかまりを残しつつ、マイケルはローラと出張へ。

そんなジョアンナも、偶然街で元彼のアレックスと再会。

食事の誘いに、思わずオッケーを出してしまう‥‥。


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邦題から察するに、軽快なラブコメディかなと思っていたのですが。

いやはやこれが、なんともリアルでシリアスな、倦怠期に入りつつある夫婦の物語で。

恋人や夫婦のケンカって、映画内でも観てて疲れちゃうんですよね。僕は。


序盤から夫婦ゲンカで始まるんですが、そういうシーンが苦手でして。

女はくだらないヤキモチからケンカをふっかけ、男は無神経に女心を逆なでする。

しんどい!観ててしんどい!


‥‥と、序盤は思ったのですが。

中盤から、それぞれが半端ない誘惑を受けながら、それぞれ夫・嫁のことが頭をよぎり、煩悩と戦う姿に、いつの間にか引き込まれてしまいまして。

「やるの?やらんの?いや、やらんのかい!いや、やっぱやるんかい!え?どっち?」

みたいな状況に、夢中でヤキモキさせられてしまいました。

術中にハマった!


果たして、どちらも浮気をしてしまうんでしょうか。

それとも、どちらも回避できるのでしょうか。

もしくは、どちらか一方が‥‥。


結局まあ、女はしたたかな策士で、男は流れに負ける軟弱者なんですな。

なんと言うか、ある夫婦の、お互いには見せない生活を覗き観てるような感覚が楽しくもあり、心苦しくもある映画でございました。

女子が好きそう。


ちなみに原題は「Last Night」なんですけど。

見終わってみたら、意味合い的にそっちの方が合ってる気が‥‥。



☆個人的見どころ

 ・誘惑と戦う夫婦

 ・しゃくれ界屈指の美人キーラ・ナイトレイ
 ・犬


(5月12日公開)