鈴木杏さん体当たりの演技!


映画とカレーと藤井

「軽蔑」

新宿・歌舞伎町の遊び人・カズ(高良健吾)は、兄貴分の命令で、組に黙って賭博行為を行っているポールダンスバーを急襲する。

その混乱の中、気になっていたダンサー・真知子(鈴木杏)を連れ出し、突然駆け落ちを提案。

少なからずカズのことが気になっていた真知子は、申し出を受け入れ、2人でカズの故郷の紀州へ。

しかし、実家の両親とカズの関係は冷え切っていた。

その上、真知子のために真面目に働くと誓ったはずなのに、仕事もサボりがちで、昔の不良仲間とつるんでばかり。

次第にケンカも増え、真知子はカズに愛想を尽かし始めるが‥‥。



こそばゆくなるような純愛映画も好きですが、泥をなすりつけあうような泥愛映画にも惹かれてしまう僕です。

これはもちろん後者。

これでもかというくらい、お互いを傷付けあってました。

いや、8:2でカズが傷付けてましたが。

でも、真知子もそれを承知でカズのそばにいるんですな。

女性って不思議だ。


高良さん演じるカズは、これでもかっていうくらいクソな人間で。

もし僕のまわりにいたら、絶対に友達になりたくないタイプですが。

でも、強運というか、天性の人なつっこさというか、ピンチに必ず誰か助けてくれる人間が現れて。

いますよね、そういう人。

そこも含めて演じきっている高良さんすごいです。


そんな男に惹かれる真知子を演じるのは鈴木杏さん。

子役から始まり、清純派女優として歩んできた鈴木さんが、文字通り体当たりの演技で。

小振りで美しいオパーイをあらわにし、妖艶なポールダンスと、さらに激しい濡れ場までも!

いや~もう。いや~!もう!

そりゃあ、脱げばいいってもんじゃないんですけど。

でも、この体当たりっぷりは、クズ男に惹かれる寂しげな真知子という女性に、確実に凄みを与えていましたよ。ええ。


そんな2人のお芝居は見応えたっぷりだったんですが、若干ストーリーがつらくて。

泥愛映画は好きだと言いましたが、あまりにカズがクズで、そこにイライラしちゃいましたね。

まあ、それも高良さんの迫真の演技があってのことですし、そこがこの映画の魅力の一つでもあるわけですけど。


ラストは、一昔前にあったチンピラ系恋愛映画のようで。

グッと来る反面、ちょっと古さも感じてしまいました。

泥っぽさで言えば満点でしたけどね。

泥愛映画が好きな人はぜひぜひ。



☆個人的見どころ

 ・カズのクズっぷり

 ・悪い役も渋い大森南朋さん

 ・鈴木杏さんの‥‥