「ノーカントリー」のコーエン兄弟最新作!
「トゥルー・グリット」
14才の少女マティ・ロスは、オクラホマ州境のフォートスミスという町にやってきた。
雇い人のチェイニーに殺された父の遺体を引き取るためだ。
チェイニーは父を殺し、たった2枚の金貨と馬を奪い、インディアン居住区へ逃げたらしい。
父の形見の銃を受け取り、復讐を誓ったマティは、「トゥルー・グリット(真の勇気)」を持つと言われる連邦保安官のルースター・コグバーンに犯人追跡を依頼。
しかしコグバーンは、大酒飲みで独眼で不潔で、いかにもたよりなさそう。
そこに、若いテキサスレンジャーのラブーフも加わり、3人は犯人追跡の過酷な旅に出る‥‥。
「トゥルー・グリット=真の勇気」とは、どえらい直球なタイトルで。
いわゆる西部劇のテイストです。
でも、派手なドンパチはないんですよね。
なんと言うか、銃弾の1発1発に緊張感や重みがあるというか。
「そんなに撃って1発も当たらんのかい!」という映画とは一味違います。
いや、そういう映画も好きですけど。
とにかく終始細かいとこまでリアリティがすごいんですよ。
いわゆるカウボーイたちの生活感とか、汚れっぷりとか。
そういうとこのこだわりなんかが、作品の重みに繋がっているのかも。
マティ役のヘンリー・スタインフェルドは、映画初出演だそうで。
なんて堂々とした演技だ!
育ちがよくて頭もよくて芯が強いけど、小生意気で子供な一面もある少女を好演しておりました。
顔もすでに大人でしたし、こりゃあ将来が楽しみな女優さんが出てきましたよ、大将。
コグバーン役のジェフ・ブリッジスもこれまたシブくて。
ラブーフ役のマット・デイモンが、ちょっと薄くなっちゃうくらいの存在感を発しておりましたよ。
これぞベテランの味。
ラストは、途中まで「何じゃこのオヤジ」と思っていたコグバーンにグッと来させられたり。
「トゥルー・グリット」とはこういうことだったのかと、それぞれに思わされて。
全体的に重苦しい空気ではあったのですが、作品に漂うピリついた緊張感は、まさに「映画」という感じでした。
☆個人的見どころ
・真の勇気とは
・マティVS馬屋のおっさん
・大物女優確実のヘンリー・スタインフェルド