ジェラルド・バトラー、ジェイミー・フォックス激突!
「完全なる報復」
クライドは、妻と小さな娘と3人で幸せに暮らしていた。
ある日、2人の強盗に自宅を襲われ、目の前で妻と娘を殺されるまでは‥‥。
クライドは一命を取り留め、犯人の2人は逮捕。
彼は当然重い罰を望むが、不可解な司法制度と、担当検事ニックの独断による司法取引により、主犯の男は短い刑期で出所できることに。
そして10年後、その犯人が惨殺死体で見つかる。
その容疑者として捕まったのはクライド。
当初はただの復讐と思われたが、その後も、その司法取引にかかわった担当者たちが、次々に命を狙われていく‥‥。
重いっすよ。あと、結構グロい。
あくまで個人的な考えですが、復讐が認められていない国であれば、被害者や遺族の納得のいく罰を犯人に与えられないと、刑法など意味がないと思う部分もありまして。
特にこの映画の舞台(フィラデルフィア)では、犯人に有利とも思えるシステムになっているように描かれてまして。
クライドは、その司法制度に戦いを挑んだわけですな。
最初は、ゆるい刑で出所してきた犯人に、完膚無きまで復讐をする物語かと思っていたのですが、それが序盤に終わり、「あれ?」と思っていたら、本題はそっちでした。
それはそれで、映画として面白かったのですが、段々その方法が、ちょっと常軌を逸してきまして。
いや、グロい方に進む分には、「あ、精神的にいっちゃったかな」と理解できるのですが、なんかこう、マンガチックになって行くというか。
あくまで一般人が犯行可能な範囲の方法で進んでくれるのならば、引き続きのめり込めたのかも。
なので、途中までは、どことなくクライドに共感する部分もあったんですが、後半から徐々に冷めていく自分がおりました。
う~ん、なんか惜しい。
ラストも、結末ではあったけれども、解決ではなかったですし。
ネタバレしたくないので、あまり深くは言えませんが、スッキリはしませんでした。僕は。
ジェラルド・バトラーとジェイミー・フォックスのやり合いは緊迫感があってよかったですよ。
なんなら、ここメインで引っ張ってくれても面白かったかも。
最終的には大味な仕上がりになった感は否めませんが、いろいろと司法制度のことを考えさせてくれる作品でもありました。
☆個人的見どころ
・ジェラルド・バトラーとジェイミー・フォックスのバチバチ感
・司法制度への半端ない問題提起っぷり
・グロい殺され方(お好きなら)