小雪さん美人!


映画とカレーと私(仮名)-信さん

「信さん・炭坑町のセレナーデ」

昭和38年。

福岡県の炭坑町に、小学生の息子・守を連れて帰ってきた美智代(小雪)。

美智代は、商店街に小さな洋裁店を開く。

ある日、守が悪ガキたちに囲まれている時、一人の少年がそれを救う。

彼は町でも有名な悪ガキの信一、信さんだった。

厳しく叱る親に反発する信さんだったが、心の中では孤独を感じていた。

しかし、優しく接してくれる美智代にだけは心を開くようになる‥‥。



炭坑町版の「Always」のような。

昭和中期の、貧しいけどエネルギッシュに生きる人たちを描いた作品で、とても見応えがありました。

昭和47年に大阪で生まれた僕には、活気ある炭坑町の様子なんて知ってるはずもないですが。

きっと間違いなくこういう感じだったんだろうなと思わせる、説得力がありましたね。

苦しい環境でも、力強く明るく生きる人たちのパワーはすごく、微笑ましくもあるんですが、それでいて全編に憂いを感じるような。

それはやはり、すたれつつある時期の炭坑町が舞台だったからでしょうか。


守や信さん、そして脇の子たちも含め、子役たちがすごく良かったです。

良い意味でクソガキたちでした。

僕が小さい頃は、まだ町にチラホラいましたよ。確かに。

僕もきっとクソガキでしたし。

漫画ばっかり読んでた文化系クソガキですが。

メイクや衣裳ももちろんあるのでしょうが、子供たちがハツラツと動いている感じが、この作品のパワーの原動力になってたように感じました。


一つ、美智代の信さんに対する行動が疑問でしたね。

それは母性から来るものだったのか、恋愛感情だったのか。

母性から来るものだとしたら、年頃の少年を惑わせかねない行動をとってましたし。

恋愛感情を抱いていたとしたら、それはいつ頃からなのか。

そのあたりがモヤッとしたまま終わったのが残念でした。


僕、こういう時代の日本を舞台にした映画が好きみたいです。

なんか、ゆったりした気持ちになれるんですな。

年末に向けての話題作がバシバシとテレビで宣伝されてる中、ちょいと影が薄い作品ですが、僕は好きな映画です。

あ、ちなみにこれ「しんさん」ですから。チケット売り場で「のぶさん1枚」って言って恥をかいたのはオレ!



☆個人的見どころ

 ・高度成長期の炭坑町の活気

 ・子役たちのクソガキっぷり

 ・透き通る美人・小雪さん