大人気少女マンガの実写映画化だそうな。 


映画館を漂流中。-君に届け

「君に届け」

長い黒髪のせいで「貞子」と呼ばれている黒沼爽子(多部未華子)。

他人の嫌がる掃除なども積極的にこなすが、見た目のせいで気味悪がられ、なかなか友達ができない。

7月、クラスの人気者・風早翔太(三浦春馬)の提案で、クラスみんなで肝試しに行くことに。

冗談半分でお化け役をやらされた爽子だが、それを一生懸命やるところを見ていたクラスメイトの千鶴とあかねと仲良くなる。

それをきっかけに、爽子が入学当初から意識していた風早との距離も、徐々に縮まってくるが‥‥。



淡いっす。淡い恋っす。

僕は寝取っただハラんだだのという、そういう過激な恋愛物は好きではないので、こういうほんのり淡い恋物語は大好物なのです。おっさんなのに。

とはいえ、こういう淡い青春恋愛物は具合が難しいんですよね。

やりすぎると、ただクサいだけになってしまいますし。

ゆるすぎると、ただ平坦なだけの物語りになりますし。

そういう意味では、なかなか絶妙なところをついてくれておりました。

あと、映画でありそうでなかなかない、女子の友情などもしっかり描かれてましたし。

爽やかでありつつ、意外に(?)内容が濃かったです。

いや、照れくさいっちゃ照れくさい映画ですけれども。ポッ。


主演のお二人の力が大きいんでしょうね。

多部さんは小顔の和風美人なのですが、髪の毛をバラッと垂らし、上目遣いでギョロッと見つめられると、それこそ日野日出志さんのホラー漫画に出てきそうな不気味さが出まして。

それが結構笑いどころになってたりもするんですが。

そんな暗顔が、笑った時のかわいらしさとのギャップがあって、まさに爽子という役にピッタリでした。

そして三浦春馬さん。

三浦さんは、まさに少女マンガの美少年が、そのまま飛び出してきたような爽やかさで。

明るくてリーダーシップがあって、いつもクラスの中心にいるような。

そんな、実際にはおらんやろうという爽やか少年を、嫌味なく演じておられました。


しかし三浦さん、ずるいっすよ。

冒頭からあの真っ直ぐな目で爽子を見つめるんですから。

だいたいの女子はやられますって。あの目に。


個人的には、ちょっと長かったかなと。

後半ちょっと間延び感を感じたので、そこがもったいないように思いました。

もう少しだけ、ギュッと。まぁ、あくまで僕の感想ですが。


なんか、こういう少女マンガ、昔はいっぱいあったんでしょうね。

最近の少女マンガは、どんどん過激になっていると聞いてますが。

かくいう僕は、少女マンガは「ガラスの仮面」しか読んだことないんですけど。

地味だけど、人知れずまわりのために一生懸命やっている女子。

そんな女子をにこやかに見つめる、クラスの人気者。

この映画を観た女子たちは、明日から率先して掃除当番を引き受けることでしょう。



☆個人的見どころ

 ・地味な女子の淡い恋模様

 ・爽やかマックス三浦春馬スマイル

 ・涙をこらえて踏ん張る爽子