うちの母が予告編を見て「おもしろそう」と言ったとか言わないとか。 


映画館を漂流中。-トイレット


「トイレット」

アメリカ東部のとある街。

とある企業の研究室に勤め、ロボットのプラモ作りが趣味のレイは、引きこもりの兄モーリーと、大学生の勝ち気な妹リサと3人兄妹。

ある日、最愛の母が亡くなったことをきっかけに、一人暮らしをしていたレイが戻り、3人は同居することになる。

母の飼い猫の「センセー」と、母が亡くなる前に呼び寄せた、英語の話せない日本人の「ばーちゃん(もたいまさこ)」も一緒に。

しかし、自室にこもりきりで、たまにトイレに入っては出てくると大きな溜息をつくばーちゃんに、兄妹たちは戸惑い‥‥。



「かもめ食堂」「めがね」の荻上直子監督の最新作です。

どちらも好きな作品なので、楽しみにしておりました。

ただ、そういうまったりした作品は好きなのですが、このまったりは前の2作と異質な感じでしたね。

僕としては、受け取り方が難しかったというか。

ばーちゃんの存在によって、それぞれ気持ちがバラバラだった兄妹がまとまっていくという、心温まる作品ではあったんですが。


レイが中心で話が進んで行くのですが、やはりこっちは異国に放り込まれたばーちゃんの気持ちが気になるわけでして。

同じ日本人ですから。

なぜしゃべらないのか?なぜ兄妹と交わろうとしないのか?

単純に不安なのか?不機嫌なのか?他に理由があるのか?

その気持ちを分かろうとするには、あまりにも情報が少なかったので。

ええ、ばーちゃん、ほとんどしゃべりません。

ただ、その居住まいはタダ者じゃなかったですけど。


改めて、もたいまさこさんという女優さんは、独特な存在感をお持ちですね。

一つ一つ、ゆ~っくりした動作なのに目を引けるなんて、なかなかできるこっちゃあないですよ。

普通の人がやるとジレジレしてしまいそうなんですが、もたいさんだと、その動きの次を期待させられてしまうというか。


まったり映画好きの中でも、好みが分かれる映画ではないでしょうか。

しかし、ばーちゃんが兄妹と全然会話をしなかったのは、やはり最後‥‥なことを分かっていたからなのだろうか?

う~ん、謎だ‥‥。



☆こんな人におすすめ

 ・まったり系ハートフルホームドラマ好き

 ・兄妹・姉妹は3人です

 ・もたいさんを師匠と呼びたい!