あの名作「アメリ」のジャン・ピエール=ジュネ監督作品です。


映画館を漂流中。-ミックマック

「ミックマック」

30年前、バジルの父は、西サハラで地雷の撤去作業中の事故で亡くなった。

そして現在。レンタルビデオ店で働くバジルは、店の外で起こった発砲事件に巻き込まれ、頭にピストルの弾を受けてしまう。

一命は取り留めたものの、弾は頭に残ったまま。

いつ弾が脳を傷付け、命を失うか分からない状態になってしまった。

仕事も家も失ってしまったバジルが、外で寝泊まりしていると、がらくた修理屋のプラカールが彼を仲間のところに連れて行き、一緒に住まわしてくれることに。

新たな人生を歩み始めたバジルだったが、偶然ある道を通りがかった時、彼の頭の中にある弾を作った兵器会社を発見する。

しかもその向かいには、父を奪った地雷を作った会社が。

バジルは愉快な仲間たちと、「死の商人」へのユニークな復讐を始める‥‥。



いや~、遊び心たっぷりの素敵な映画でした。

僕、好きです。

父を地雷で亡くして、頭に銃弾をうけた男が、兵器会社に復讐を‥‥

というと、一見暗くなりそうですが、全然そんなことはなく。

復讐の仕方がユーモアたっぷりで、全体的に笑いどころも多く、ラストも‥‥。


バジルの純朴なキャラと、どこか抜けてそうだけど頼もしい仲間たちの絆がまた良いんですな。

そして、兵器会社のボスたちの悪人っぷりも。

仲間のために本気で復讐に荷担し、それを本気で楽しむ。

冷酷な死の商人たちが、バジルたちのアホな策にハマるのがおかしくておかしくて。

もちろん、商人たちもやれれっぱなしでなく‥‥。


前半、ちょっとゴチャゴチャとしてて観にくかったんですが、そこを乗り越えれば大丈夫かと。

気になったのはそこと、バジルの頭に残された銃弾が、そこまでキモになってなかったことですかね。

脳の中に銃弾が残ったまま生きているというのは、非常に希有なことでしょうから。

それがどこかで何かになるのかと思いきや、特にそうでもなく。

その部分に関してのみ、ちょっと肩透かしでした。


とはいえ、十分に楽しんだんですけどね。

映像も含め、一昔前の名作映画を観ているような、そんなノスタルジックな気持ちにもさせてもらえる温かい作品でございました。



☆こんな人におすすめ

 ・ハートウォーミングコメディ好き

 ・ほんわかしたい

 ・ラブ&ピースなあなた


(9月4日公開)