アメリカのロック黎明期を描いた、実話を基にした作品です。


映画館を漂流中。-キャデラック・レコード


「キャデラック・レコード」

1947年のシカゴ。

バーのオーナーで、ポーランド系移民のチェスは、才能溢れる黒人ギタリストのマディ・ウォーターズと、ハーモニカ奏者のリトル・ウォルターと出会う。

チェスは自らのレーベル「チェス・レコード」を設立し、彼らの売り出しに成功。

波に乗ったチェス・レコードは、その後、ハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクソン、エタ・ジェイムズや、チャック・ベリーなど、時代を彩ったブルースマン、ロックンローラーを輩出していく‥‥。



いや~、好きっす。この映画好きです。

僕はロックが好きでして。

でも、この時代のことは、恥ずかしながら全く知りませんでした。

マディもウォルターもウィリーも。

チェス・レコードのことさえも。

知っていたのは、チャック・ベリーが、あの名曲「ジョニー・B・グッド」の人だということぐらい。

それでも、流れてくる音楽を聴いていると、確かに僕の好きなロックの、ルーツになる音楽をこの人たちがやっていたんだということを、ヒシヒシと感じられまして。

ず~~~っとニヤニヤしながらスクリーンに見入ってしまいましたね。


黒人の音楽だったブルースからロックが生まれ、それを白人も聴くようになり、ライブハウスにも白人が詰めかけ、いつしかその垣根が音楽によって取り払われていく‥‥そうやって今のロックがあるのかと思うと、こんな若輩者の東洋人の僕でも、胸にジーンとくるものがありました。


もちろん、華やかな表舞台の裏では、汚い金のやり取りや人間関係のもつれ、セックス・ドラッグでのトラブルなども、きっちりしっかり描かれております。

「これは真実の物語です」的な注釈もありまして、エンターテイメント映画でありながら、どこかロック史に基づいたドキュメンタリー映画を観ているような気分にもなりました。

なので、そこに興味のない人たちは、観ていて退屈かもしれませんけれども。


僕は観て良かったです。

21世紀になって、「ロック」という名はものすごく幅広く使われるようになりまして。

それでも、本当のロックンロールというものは、今もそれらの真ん中に、芯としてどっかりと通っているものだと僕は思っております。

そんな芯のロックが大好きなみなさんには、ぜひこの映画を観ていただきたいっすな。



☆こんな人におすすめ

 ・ロック・ブルース命

 ・アメリカロック史に興味あり

 ・ビヨンセやっぱりエロきれい