なにかと物議を醸し出しているあの作品です。


映画館を漂流中。-ドラゴンボール/Evo


約2,000年前、地球を滅ぼそうとした宇宙人がいた。

その名はピッコロ大魔王。

そのピッコロが長年の眠りから目を覚まし、再び世界征服のために動き始めた。

祖父の元で武道の修行をしつつも、普通に高校に通う青年・孫悟空。

彼は、ピッコロの野望を防ぐため、7つ集めると願いが叶うというドラゴンボール探しの旅に出る‥‥。


もちろんですが、原作とは全く別物だということを、徹底的に意識しつつ観ました。

いや、観るつもりでした。

でも、やっぱり無理っす!

ストーリーは、お察しの通り全然違います。

それはもちろん承知の上です。

原作のままなのは、各キャラの名前だけと、ピッコロが世界征服を目指す魔人だというところ。

あと、ドラゴンボールを7つ集めれば1つ願いが叶うというところと、人間関係と他にちょこちょこ。


とにかく、そのちょこちょこ入ってくる「原作を生かした部分」がクセモノなんですよ。

なんとか原作のイメージを振り払って、ストーリーに没頭しようとしても、ふとした拍子に「原作キャラの名を持った別人」に出てこられると、原作の知識を呼び戻されちゃうんですよね。

そうなると、比べちゃいますよね。原作と。

その後‥‥まぁ突っ込んじゃいますよね。あまりの違いに。

「いやいや!ちょっと!」って。

でも、また正気を取り戻して、別物として観ようと頑張りますよね。

するとまた‥‥

それの繰り返しでした。結局最後まで。

いや~、困った困った。


それでも、、これを別物のファンタジー系アクション映画として観たとしたら。

う~ん、やっぱりちょっと弱いですね。

まず、CGがちゃち過ぎます。

それと、悟空の強さに説得力がなかったですね。

登場時のピッコロなんて、鬼のように強そうな演出で現れたのに、ちゃん勝負できるのか?と。

なんていうか、修行の時間が短すぎて。

1時間半しかなかったので、はしょったのかもしれませんが。

最後の戦いも、あまり緊迫感がありませんでしたしね。


それにしても、あれだけの名作を全く別の解釈で映画にするのなら、原作を超えるくらいワクワクドキドキする映画にして欲しかったです。

これを観た限りでは、原作の大まかなストーリーを小耳にはさんだ程度の人が、思い出せない部分を適当に書き足して作ったような脚本にしか思えないですね。

少なくともこの監督には、原作への愛情なんてカケラもなかったのでは?

でないと、こんな作品にはならないですしょうし。

「魁!男塾」の実写映画版なんて、予算がなさそうなのがヒシヒシと伝わってきましたが、それ以上に原作への愛を感じる作品でしたよ。


こりゃあ、日本人監督に、日本人のキャストで真・実写版ドラゴンボールを作ってもらうしかないですね。

僕の中で、この人にやっていただきたい!というのは、すでに1人いらっしゃいます。

それは‥‥


三池監督!あのヤッターマンを見事に実写化した腕前で、いっちょドラゴンボールもお願いします!



☆こんな人におすすめ

 ・「ドラゴンボール」を読んだことのない人

 ・逆に、原作との違いを確かめたい人

 ・「それはそれ、これはこれ」と割り切れるタイプの人