「BOY A」、すなわち「少年A」ということです。
子供の頃にひどい罪を犯し、「悪魔の子」と恐れられ、少年院に入れられたジャック。
24才になったジャックは、刑期を終えて出所することに。
社会福祉士であり、理解者のテリーにアパートと仕事を紹介され、名前も変えて新しい生活を始める。
運送会社に就職したジャックが、同世代の仕事仲間・クリスや、クリスに後押しされて交際するようになったミシェルたちと、新しい生活に徐々に馴染んできた頃。
あることがきっかけで、ジャックの隠し続けてきた過去が明るみになってしまう‥‥。
ものっすごい興味深い設定ですよね。
自分ならどうするでしょうか?
信頼していた仲間や、大好きな恋人が、実は過去に誰もが知る猟奇的少年犯罪を犯していた犯人だったら‥‥
想像もつかないですね。その時、自分がどういう態度を取るか。
「過去は過去だぜ、ふふん」とか、口ではカッコ良いことが言えても、実際にそうなったら、どうすることやら。
しかし残念なことに、全体的にぼんやりした印象でしたね。
ジャックの過去が明るみになってからのことも、過去に犯した事件のことも、結局濁したようなままだったので。
せっかく良い題材なのに、もったいなかったです。
モヤモヤッと終わってしまいました。
あと、観る時にちょっと気をつけなければならないんですけど、この作品はかなり「元少年A」側に立って作られています。
更正して真面目に生きようとする青年に、無慈悲な対応をする世間という見せ方で。
出所後のジャックも、頭に血が上ると見境がなくなるという作りにされていますけど。
それにしても、マスコミの対応なんて、胸くそ悪くてゲー出そうになりますよ。
こっちが別に知りたくないところまで勝手にズカズカと入り込んで取り上げ、自分らで騒ぎを大きくしておいて、
「どうする?どうなる?大変だ!」
って、この部分はフィクションでもなさそうですか。
マスコミなんてどの国も同じなんですかね?
でも、いくら法的に罪を償ったとはいえ、もしそういう猟奇的殺人者が自分の身近で、普通に暮らしていたとしたら、僕もその存在を知っておきたいです。
「人を殺す」なんていう行為は「若気の至り」とか、「ついカッとなって」で済まされることではないですから。
その人に一切関わらずに生活したいということではないんですけど。
この先、もし自分に家族ができたら特にそう思うでしょうね。
それってヒドいことですかね?
まぁ、つまりあれですな。
「渡る世間は鬼ばかり」
っちゅうことですな。
ラーメン屋・幸楽でのいざこざなんて、かわいいもんだ。
☆こんな人におすすめ
・その時、自分ならどうするか考えたい人