これまたまったり系ですね。


ある夏の日、良多(阿部寛)は、嫁と子供と実家に帰ります。

実家には、優しくてどこかユーモラスな母(樹木希林)と、元医者で無口だが、変わらず威厳を守ろうとする父(原田芳雄)が。

そこに、姉(YOU)の一家も帰郷。

田舎の家での、まったりとした時間が流れて行きますが、実はその日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのでした‥‥。



最初は本当にまったりとしているのですが、物語が進むにつれて、みんながそれぞれの悩みを抱えていることが分かってきます。

表面的にはニコニコ語り合っているのに、どこか少しずつ無理をしているような感じが、実はどこにでも潜んでいそうな光景で。

少しずつずれていて、ずれを直そうとしても、少しずつ間に合わない。

まさに、歩いても歩いても。

いいタイトルですな。


樹木希林さんはさすがでございました。

おっとりしていて、何ごとも深く気にしなさそうな母が、チラリと見せた闇の部分は、ちょっと背筋が寒くなるくらいでしたね。

もちろん、笑えるところも多かったですよ。

樹木さんと原田芳雄さんとの夫婦の距離感なんて、本当に長年連れ添った夫婦のようで面白かったです。


いろいろと考えさせられることが多い作品でしたが、ラストの穏やかなシーンを観てホッとしました。

あ、あまり言っちゃうとアレですけど。

僕のチョイスもありますけど、最近こういうまったり系の作品が多いですね。

まったりしていて、クスッと笑わされて、癒されて、考えさせられて、最後はちょっとジーンと、みたいな。

この作品もそうですけど、「ぐるりのこと。」「ジャージの二人」「純喫茶磯辺」とか。


好きですけど、ちょっと続いたんで、久々にド派手な娯楽大作を観たいですね。

「ドーン!」ときて、「うわーっ!」ってなって、「おおー!」みたいな。


‥‥分かります?



☆こんな人におすすめ

 ・まったり映画好き

 ・夏川結衣さんファン

 ・夏休みに実家に帰る人