なんと、主演・製作総指揮が長嶋一茂さんです。
映画製作から極真空手まで、手広くなんでもやってらっしゃるんですな。
一茂さんのお芝居は、ド素人の僕が言うのもなんですが、あまり上手ではございません。
きっぱり言っちゃいましたが。
でも、それが逆に、この昔気質の朴訥で真っ直ぐな郵便屋さんの役にピタッとハマッてまして。
なんでも便利なこの時代に、わざわざ自転車(バタンコ)での郵便配達にこだわり、昇進も望まず現場に残って、一軒一軒丁寧に正確に配り続ける郵便局員と、先立った妻、残された娘と息子の物語です。
前半は正直、郵便局のプロモーションビデオのようで、けっこう退屈でした。
こんなもんは郵便局のロビーで流しとけ!‥‥と、思った人もいるかもしれません。
いや、僕じゃなくて。
ところが後半になると、ジワジワと人情味あふれる展開になってくるんです。
それも、「そんなアホな」という展開に。
しかし、一茂さんの飾りっ気のないお芝居が、そこに説得力を持たせてくれていたように思います。
良い意味でバカそうで、やたら体力がありそう。(ここがミソ)
北乃きいさん演じる娘が、最初はやけに反抗的だった意味も次第に分かってきたりして、ラストはホロリと、ジーンとさせられました。
失礼ながら、全然期待せずに観に行ったのですが、ほんのり良い作品に出会えてラッキーでございました。
人生が3回くらいあったら、僕も1度は海の見える町の郵便屋さんをやってみたいっす。
☆こんな人におすすめ
・文通に思い出のある人
・郵便配達員に憧れる男子
・何気に出ている元男闘呼組・前田耕陽ファン