アカデミー賞を4部門も受賞した作品なんだそうです。

僕みたいなニワカ映画ファンは、その肩書きだけで「おー!」という素直な尊敬と、「なんぼのもんじゃい」という反権威的な気持ちの両方が芽生えるのですが。

さて、この作品はどうだったのでしょうか。


メキシコ国境付近の砂漠でハンティング中に、銃撃戦の後の死体の山と、大量の麻薬と現金を見つけた主人公が、危険を顧みずに現金を手にして逃亡し、組織と殺し屋に追われるというストーリーです。


個人的な感想から言えば、序盤はゆるやかに、途中から4分の3くらいまでは心臓を捕まれそうなくらいの緊張感で、ラストは拍子抜け、そんな感じでしょうか。

拍子抜けというか、僕はハッキリとケリをつけてくれる作品が好きなだけなので、こういう風にじわーっと考えさせられるエンディングが好きな人はハマるかもしれません。


すごかったのは、アカデミー賞他、数々の助演男優賞を受賞した、ハビエル・バルデムの演じる殺し屋シガーですね。

こいつがもう、本当に恐いんですよ。

見た目は普通‥‥というより、ちょっとコミカルなくらいで、アスパラドリンクのCMに出てたハニホー・ヘニハーを彷彿とさせるオカッパ頭と、ちょっとずんぐりむっくりな体型をしているおっさんで。

そいつが、寒気がするくらい躊躇なく人を殺すんです。

仕事の邪魔になる人間はもちろんのこと、全然無関係の人間も時には殺すんですが、そのスイッチが全然分からないんです。

普通の日常会話が勘に触ったかと思うと、無愛想な店員とは何もなかったり。

そんな異常者と主人公の、殺すか殺されるかの展開は、呼吸をすることも忘れるほどでした。


いや~、これほどの緊張感はなかなか味わえないですよ。

さすがあのコーエン兄弟。

って、コーエン兄弟の作品は初めてみたんですが‥‥。


でも、その兄弟の名前は、ザ・ファンクス、高野ブラザーズ、マレンコ兄弟と共に、僕の記憶にガッチリと刻み込まれました。



☆こんな人におすすめ

 ・コーエン兄弟の作品ファン

 ・超ドキドキしたい人

 ・オカッパマニア