「IMFが情報を入手、国家安全保障会議が動き、1週間以内に軍事行動。砂嵐が収まったら我が国は得意のあの手に出る。大掃除、そして国の立て直し。民主主義が勝つ。」
シリーズ本来の《チームワーク》を復活させ、それにより前2作よりTV版『スパイ大作戦』の映画化らしく、映画シリーズ中で一番好きな作品。
これが映画初監督作品であるJ・J・エイブラムス監督は、巻き込まれ型サスペンスの名作『北北西に進路を取れ』などのヒッチコック作品を意識したと語っている。
クライマックスの「絶体絶命」をファーストカットに配置して一気に物語へ引き込み、物語後半でファーストカットに繋がって「絶体絶命」の謎が解けるという手法は、同監督のTVシリーズ「エイリアス」の再現だろう。
オープニングからクライマックスまで、次から次にアクションとサスペンスが展開し、全てのシーンが見た事もないアイデアで溢れている。
冒頭のヘリコプターに追われながらヘリコプターで逃げるシークエンスでは、ヘリチェイスだけではなく激しく揺れるヘリ内で数分以内に人命救助をしなければならないという「タイムリミット付き」の二重構造。
このオープニングだけでも「手に汗握る」素晴らしさ。
銃を一度も握った事がない女性が一人でテロリストと戦う羽目になる場面は、短い場面ながらも緊張感がピークに達する超絶サスペンス。
適役のフィリップ・シーモア・ホフマンとトム・クルーズは『マグノリア』以来の共演で、二人とも前作とは180度違う雰囲気で演じることを本当に楽しんでいる感じが伝わってくる。
スパイ映画では珍しく《愛》をベースにしたラブストーリー的展開を書いた脚本家や、監督もスタッフも含めて《これぞプロの仕事》のオンパレード。
「例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、或いは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。」
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