ブルーバレンタイン | 愛すべき映画たちのメソッド☆

愛すべき映画たちのメソッド☆

映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ



「女の子は美しければ美しいほど気が変なんだ、ってことは君は精神異常だな。」

恋愛と結婚の違いや、現実主義の女性と理想主義の男性をリアルに描いている。

倦怠期を迎えた結婚生活と、夢に満ちた恋愛期間を交互に観せる構成は《理想と現実のギャップ》の様で切なく、ほろ苦い。

細かい所まで気になってしまう《女》と、細かい所は気にしない《男》は、本来なら同じ屋根の下で共存できるはずはないのかもしれない。

だが恋愛期間の燃え上がる《愛》によってお互いがそれに気付かないだけなのだろう。

もしくは薄々気付いてはいても気付かないフリをして今を楽しんでいるのかもしれない。

この作品では、仕事で理想を追い求める妻と、家庭に満足しきっている夫という《温度差》が二人の距離をさらに遠ざける。

世界中どこにでも起こりうる夫婦の確執を、ここまで丁寧に赤裸々に描き切った作品は珍しい。

普通の恋愛映画にありがちな《ファンタジー的ロマンス》が皆無でありながらも、ささやかな運命的出逢いと《恋が愛に変わる瞬間》がリアリティ溢れる生々しさで展開する。

誰もが一度や二度は味わったことのある「愛が深まっていく実感」を、ノスタルジックな想い出の様に追体験させてもらえる。

本作は、既婚者には《恋愛のトキメキ》を思い出させ、未婚者の《結婚という幻想》を見事に打ち砕く。

恋愛と結婚は、思い通りにならないからこそ面白いし、だからこそ男と女は何度も同じ過ちを繰り返してしまうのかもしれない。

「永遠に変わらない愛なんて、ないの。」



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