「生きるというのは恥ずかしいことだ。」
被害者と加害者や、《生と死》という重くストレートなテーマの作品。
『悪の教典』や『ヒミズ』の染谷将太が少ない出番ながらも強烈に印象的。
命の尊さをストレートに考えさせられるストーリーの今作は、さだまさし原作の映画化。
不思議なタイトルも鑑賞後にガラリと印象が変わる。
亡くなった人の家や部屋を遺族に変わって整理し遺品を分類、処分するという仕事のアルバイトで出会った男女。
心に深い傷を持つ二人が日々、あらゆる理由で亡くなった人達の遺品を共に整理していく中で数々の人の死や孤独さと直面し、徐々にお互いの過去とも向き合い始める。
改めてそのような仕事があることにも驚いたが、何よりも岡田将生と榮倉奈々の真に迫った演技が胸を打つ。
二人とも映画という事を忘れさせる程の巧さで、観ている自分も当事者かの様に悲しみや喜びが心に響いてくる。
二人ともこの世界に確実に存在している《傷ついた男女》にしか見えない。
この、CGも合成も全く使わずに映し出されたリアルさこそが映画のマジックなのだろう。
「それでも、遺されたのは未来。」
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