CHiLDREN チルドレン | 愛すべき映画たちのメソッド☆

愛すべき映画たちのメソッド☆

映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ




「誰だって自分だけはオリジナルな人間だと思っているんだよ。誰かに似ているなんて言われるのはまっぴらなんだ。」

子供は英語でchild。複数形はchildsではなくchildren。子供は複数になると全く別物になってしまう。つまり集団の子供は何をしでかすか判らない怖さがある。

伊坂幸太郎原作の映画化作品の、『フィッシュストーリー』『ゴールデンスランバー』『ポテチ』の大森南朋、『重力ピエロ』の加瀬亮と吉高由里子、『死神の精度』の小西真奈美という、伊坂ワールドのオールスターズが総出演。

中でも大森南朋が特に素晴らしい。

「外見で決めつけるのはな、若者が一番嫌がることなんだって。」

人生哲学を熱く語る家裁調査員の先輩をぶっ飛んだキャラ立ち具合で演じ、真面目な後輩の坂口憲二を振り回しまくるけど、真理を突いた言動で誰もが心を掴まれる。

あらゆる人生経験を積んできたかの様な自信に満ち溢れた説得力で、ただならぬカリスマ性を漂わせている。

大森南朋の役者魂は『フィッシュストーリー』でも全開だけど今作は主演ということもあり、一人舞台の様に彼の演技を堪能できる。

発言がたまに説教臭かったり行動が適当だったり、時に鬱陶しくても《こんな上司がほしい》と思わせられる。

人を惹き付ける不思議な魅力と、存在感と、リアルで自然なセリフ回しのこの役は、邦画界では大森南朋にしか出来ないだろう。

子供相手に「俺が優勝ぉ!!!」とガッツポーズで叫ぶ場面の吹っ切れっぷりも今作最大の見所。

彼の子供や若者に対するスタンスは、実は昨今の世界的な育児論の方向性にも合致していて、非常に興味深い。

今なお厳しい躾を重んじ続け、世界から【育児後進国】と言われている日本の親には稀有な存在に見えるであろう彼のセリフが、シンプルでとても熱い。

育児書にも匹敵する育児論が詰まっていて、子を持つ親は特に必見。

「かっこいい大人がいれば、子供はグレない。」


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