ジーン・ワルツ | 愛すべき映画たちのメソッド☆

愛すべき映画たちのメソッド☆

映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ




「天才医師〈遺伝子(ジーン)の女神〉が仕掛ける、禁断の奇跡。」

産婦人科学や代理母出産を題材に、産婦人科女医の活動と代理母出産疑惑が絡んだ海堂尊のミステリー小説の映画化。

架空の都市の架空の病院や大学が登場するが、『チーム・バチスタの栄光』や『ジェネラル・ルージュの凱旋』などの海堂尊の数々の作品と同じ世界であり、登場人物や場所やセリフ等あらゆる部分でリンクしている。

婦人科医療の現実をテーマに、不妊治療、産婦人科医不足や、そのために引き起こされるリスク、日本の医療現場の問題をも描いている。

日本国内では自主規制が行われている《代理母出産》を主軸に展開する医師と母親たちのそれぞれのドラマは、生と死と《生命誕生の奇跡》で紡がれている。

現在の医療制度の矛盾点や医療界のタブーに踏み込んだり、綺麗事だけではない攻めの姿勢だったり、完全には潔白ではない主人公のキャラクターにも好感が持てる。

生命の誕生に関する神の領域を描きつつ、背中合わせにある生命の《死》にも触れた物語。

いろんな問題を抱えた妊婦たちが《命の尊さ》に巡り会った時に感じるそれぞれの想いには素直に涙が溢れる。

ひとつの命が誕生するには、体内で数多くの偶然と奇跡の分岐点を通過している。

同時に体外では母親を中心とした人と人とのドラマも繰り広げられている。

あらゆる危機や困難を時には乗り越え、時には回避し、全ての想いが最後に結実して命は誕生する。

その神秘の鍵を握っているのは、やはり《愛》なのかもしれない。

「奇跡は、みんなが思ってるより、ずうっと頻繁に起きているのよ。特に赤ちゃんの周りではね。赤ちゃんって希望そのものね」



Android携帯からの投稿