〜砂の城〜








色んな夢を語りあい


砂の城を作っていたね


些細な夢も


到底叶わない大きな夢も


関係なかった


ただふたりで同じ事を


熱中できるのが


嬉しかった




波のこないところで


砂の城を作っていたのに 


思いもよらぬ 


大きな波にさらわれて


砂の城は跡形もなく


なくなってしまった


世の中には


理不尽なことがあると


初めて知った




城が壊れてしまったら


壊れた城の砂は


手からこぼれ落ち


あなたの心も離れていった


私一人じゃ 


もう元には戻せない


あんなに夢中だったのに


冷めるときは一瞬なのね


知らなかった事を 


知れただけてもよかったと


自分を慰めるしかない


砂のお城はただの砂に


戻っていった