〜雨〜







窓を濡らす静かな雨


街中の悲しみを洗い流して


太陽が顔を出す頃には


みんなが


幸せになっていればいいのに


雨のち晴れ


泣き顔から笑顔に


そして暗い部屋から


明るい陽射しの降り注ぐ


外へと駆け出す




遠く離れてしまったあの人


だけど思い出の翼は


いつでもはばたく


雲の合間からあの人の住む街を


覗けたらいいのに


あの人に会いたくなると


頭の中であの人を組み立てて


微笑む私がいる


それは少しだけ狂気じみてる 




耳をすませても


もうあの人の声は聞こえない


私の想いを伝える術はない


なくした恋を


そのままにできない


諦めの悪い私にも


帰らないあの人にも


やわらかな雨が降り注ぐ