※はじめましての方は、まず「はじめに(解説)」をご覧下さい。

去年の10月11月は、毎晩のようにアキとスカイプで会話しました。

サイトの技術的な話。ときどき真面目に時事ネタ。笑える動画やサイトを紹介し合ったり、互いの家族構成や友達の話など。

その頃は、たまたま互いの生活サイクルがピッタリだったので(PCに向かう時間帯がいっしょ)、毎晩毎晩。

アキは、24歳で現在実家から離れた大学院で研究をしているそうです。
卒業予定は、今度の春。
某電化製品メーカーの開発部に就職が決まっています。

10代の中高生時代はバスケ少年で、それなりにモテていたそうです。
しかし、男臭い大学へ進学してからはサッパリ。大学の4年間は研究一筋だったそうです。

遠距離恋愛に陥った地元彼女とは、すれ違い生活の末に破局。

大学卒業後は、ますます出逢いのない男だらけの院生活に突入。睡眠時間を削って研究に没頭しまくり。

モロに理数系の思考回路。
すっごく頭がよい人なのに(アタシから見たら)、驚くほど謙虚。いや、むしろ逆に自己評価が低いくらい。

返答ができないほど無口ではないが、自分から話の種を撒くタイプではない。

人の悪口を言わない。愚痴も言わない。常に自己責任の人。

笑えるネコ動画が大好き。
でも、ネコを飼ったことはまだない(笑)

10年近くネットをしている間、1度だけ、仲良くなった女の子の住む町に観光もかねて遊びに行ったことがある。

その頃のアタシにとって、アキはただの可愛い年下の男の子でしかなかったので、からかい半分でこんな会話をしていました。

「仲良くなった女の子のとこに遊びに行ってどうしたの?」

「観光案内をしてもらったよ♪」

「で?いただきます?食べちゃった?(笑)」

「食べてないよ~(苦笑)」

「えぇぇぇ?(疑いの声)嘘でしょ?会いに行ったってことは、お互いに好意があったってことでしょ?キスもしなかったの?」

「うん、しなかった。手も繋いでないよ。俺が泊まってるホテルの部屋で雑談したりしたけど…、ただそれだけ」

「えぇぇぇぇぇっ!?ホテルの部屋にまで入れて何もしなかったのぉぉぉ??押し倒しちゃえば、案外相手はその気だったんじゃないの??」

「そうかもしんない。でもそんな気にはならなかった」

「もしかして、アキって押しが弱い人?」

「うん。押しが弱いタイプだと思う。今まで自分から付き合ってて言ったことないし。でも、これから社会に出て性別関係なく色んな人と出会って、自分のそんな面を改善したいと思ってるんだ。」

♂視点から見たら「ヘタレ」に映るのかもしれませんが、アタシは「素直で可愛い人」と、ますますアキに好感を持ちました。

かねてから、自己PRが苦手である自覚があったアキは、就職活動の際につくづくそれを痛感したそうです。

「いくら素晴らしい研究結果を出せたとしても、それをPRする話術が自分には身に付いていない。

ほどほどの研究内容でも、可愛げがある人物や、コミュニケーション能力が高い人は、沢山の人たちに好まれ、活動するチャンスを与えられやすい。

自分にはない能力だから、正直そういう人たちが羨ましいと思う。

今まで研究に追われ、寮と院を往復するばかりの毎日だったけど、これから社会に出るに当たって、少しでも自分を変えたくって、今アクティブに動いている最中なんだ。」と。

口先だけではなく、彼は、寮から出て色んな人たちと(主に同性)交流をし、自分を変える努力をしているようでした。

アタシの目には、そんな彼の姿が微笑ましく、頼もしく映りました。

誰かをストレートに「羨ましい」と言える素直な心。

ただ羨ましがるだけじゃなく、自分も「そうありたい」と変わるために工夫する姿勢。

様々な目標を立て、それに向かっていとわない彼の努力の姿勢が、最近「前進」を諦めていたアタシの日常に彩りと活力を与えてくれました。

アタシもアキに負けないよう頑張ろう!と。

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アキのサイトと結果的な相互リンクになってからも、1~2年に1回程度、たま~に情報交換や挨拶を交わす付き合いが数年間続きました。

ある日、久しぶりにサイト宛のメールをチェックしてみると、最後にメールを交わしてからおそらく2年ぶりくらいのアキからのメール。

「お久しぶりですね。お元気ですか?懐かしくてメールしてみました。久しぶりに昔話でもしませんか?」

そこから、アタシたちのメール交換が始まりました。
ある程度のアクセス数があるサイト運営者なら「わかる!わかる!w」みたいな、運営にまつわる笑い話やレンタルサーバーの評価、技術的な話題など、アタシたちの会話は止まることなく盛り上がりました。

アタシがアキが作ったCGI(掲示板などのシステム)をとっても気に入っていることを伝えたことから、アタシたちの会話は、メールから音声に変化していきました。

スカイプという、無料のインターネット電話システムを利用して、アキはアタシにメールでは説明しにくい技術的な部分を解説してくれるようになったのです。

アキから「亜美さん、スカイプで話さない?」と誘われたとき、正直かなり躊躇しました。

アタシの声は、非常に若く聴こえるらしいから…

アキはアタシの年齢を知りません。ネット上の付き合いが長いので、おそらく年上であることは知っているはずですが…、、、まさか13歳も上とは思ってないはず…

「そこまで歳が離れた相手と、スムーズに会話が成り立つのかしら…?」

しかし、その不安は杞憂でしかありませんでした。

アタシたちは、互いに「CGI」や「素材」の配布とは無関係のサイトを運営しています。
従って自身のサイト経由で技術的な会話が可能な相手と出逢える可能性は限りなく0に近く、互いに「はじめての出逢い」にウキウキしながらスカイプにログインする夜が続きました。

アキは、大学の選考がそっち系なのでCGIをいちから組むことが可能です。
アタシは、丸っと独学で勉強したクチですので、何年経ってもチンプンカンプンだらけ。

基本的にアタシは人に質問せず自分で調べる(検索)タイプなのですが、どうしても解けない疑問があったので、ダメモトでアキに質問してみました。

一から十まで教えてもらうつもりは無かったので、検索をかけるための「ヒント」程度の回答で十分だったのですが、(彼にもその旨、伝えていました)
彼は懇切丁寧に質問に答えてくれるだけでなく、アタシが欲しがっていたCGIをプレゼントしてくれました。

自分で解決できなければ、有料でプロに依頼するつもりだったので、アタシは恐縮しまくりました。
だって彼は、プレゼントしてくれただけでなく、アタシ仕様に細かく改造まで請け負ってくれたから。

プロに依頼するとどんな額になるのか知っていたアタシは、「とてもじゃないけど、こんなの無料で貰えない」と彼に1万円を振り込みました。
相場的に1万はあり得ない額です。でも、アキはそれ以上は受け取れないと言います。

「じゃあ、いつか亜美さんが住む街に観光に訪れることがあったら、美味しい店にでも案内してよ♪」と。

まだアタシから見たアキは、趣味や価値観が合う弟のような「年下の男の子」でしかありませんでした。

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